広告マーケティングの専門メディア

           

「ネット広告」の課題と企業倫理

広告主審査、広告原稿審査を徹底し「なりすまし広告」撲滅の取り組みが必要

春山宜輝氏(楽天グループ)

ユーザーにとってのインターネット広告の印象を良好なものとしていくためには、広告主、広告会社のみならず、インターネット広告の枢軸を担うプラットフォーム側の対応が欠かせない。昨今、広告の体験品質の問題が顕在化するなか、国内で活動するプラットフォーマー大手企業は、どのような課題を認識し、また対応を進めているのか。各社の取り組みを聞く。

Q. ユーザーにとっての広告体験の品質を向上させるための取り組み。

A. 広告掲載に関するガイドラインを設け、広告主から入稿される入稿物に対してユーザーにとって不利益となる表現などがないか、ユーザーに誤解や誤認を与えるような表現がないか、ユーザーが不快と感じるものや、青少年の保護育成上好ましくないもの、肌の露出度の高いクリエイティブなどがないかなど、様々な項目において事前確認を徹底し、それらの基準は広告主にも提示しています。

Q. 表示内容に問題のある広告を排除するために取り組んでいること。

A. キーワードに紐づき表示されるような広告については、放送禁止用語やアダルト系のワードなど、ユーザーが不快に感じるようなワードでの広告表示がないよう、システムでの制御も実施しています。この他、ユーザーから通報の内容、法律などの変更、景表法など行政からの指導についても随時確認し、不適切であると判断した際には広告の配信を停止する対応もしています。

Q. 広告を受け取るユーザーのプライバシー保護の観点から取り組んでいること。

A. 楽天グループにおけるプライバシー保護は、各国のプライバシー関連法令...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

「ネット広告」の課題と企業倫理 の記事一覧

「使ってもらえる広告」から13年 広告業は「プランナー・イノベーション」の時代へ
世界を少しでもハッピーな場所にするためにインターネットを「自然」の一部と考えてみる
広告活動に求められる、企業倫理
日本特有の問題表現や薬機法違反 ポリシーに反する広告への対策がますます重要に
高まる企業とクリエイターとの協業の重要性 ステマ対策を徹底し、利用者に対する透明性を担保すべし
広告主審査、広告原稿審査を徹底し「なりすまし広告」撲滅の取り組みが必要(この記事です)
アフィリエイター制作の広告に課題も 業界団体などと連携した取り組みが必要とされる
マーケティング活動を脅かす、世界の最新・不正行為
広告主がいま、すべき対応とは?
「消費者の権利」から、適切な広告の形を考える
広告業界が取り組むべき、不当表示と不適切表現への対策とは?
現代社会における「不適切な広告」とは?
消費者庁に聞く、消費者保護とデジタル広告の監視強化方針
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する