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データという『事実』で機能する カタリナが提唱する「事実マーケティング」とは

カタリナ マーケティング ジャパン

1999年の日本でのビジネス開始以降、実購買データを基にしたマーケティングソリューションを提供してきたカタリナ マーケティング ジャパン。同社が掲げる「事実マーケティング」構想について、取締役CCOの松田伊三雄氏に話を聞いた。

カタリナ マーケティング ジャパン
取締役
Chief Commercial Officer
松田伊三雄氏

ブランドロイヤルティを高め実利を重ねる施策とは?

1999年、カタリナ マーケティング ジャパンの事業はPOS連動型のクーポンサービスの提供から始まった。同社の強みは日本全国のSM・GMS・ドラッグストアをカバーするリテールネットワーク。ポイントカードや会員カードなど、購買情報の取得が可能な年間アクティブIDは7800万にのぼり、年間購買規模は国内推計販売額の約半数にあたる10兆円に達する。

2023年よりCCOを務めるのが、飲料・食品メーカーやエンタテインメント企業などでセールス・マーケティングの責任者を歴任した経験を持つ松田伊三雄氏。同氏は、「マーケティング活動のダイナミックな変革が求められている」と語る。

「消費者側のデジタル化が進み購買行動も情報との接し方も変わり、さらに価値観や思考も細分化されている。しかし、消費者の購買行動が大きく変容している一方で、マーケティング活動の大枠は変わっていないのではないでしょうか」と松田氏は指摘する。

マス広告だけでなく、デジタル広告も活用するなど、確かに認知獲得手段のデジタルシフトは進んできた。しかし、購買行動が大きく変容している今、そもそも何をもって購買に至るのか、そのプロセスを明確にし、そのプロセスに合ったマーケティングの変革が必要とされているのではないか。

さらに松田氏は「店舗には毎日多くの買い物客が訪れますが、実際に自社のブランドを購入してくれるお客さまは、そのうちのほんの数パーセントにすぎないはずです。しかし、数パーセントとはいえ、その集団をいかに正確にとらえるかが、重要だと考えています」と続ける。

そこで同社が掲げるのが、『事実マーケティング』構想だ。その商品の売上は、カテゴリ内でどのくらいのシェアを占めるのか。消費者の購買頻度も様々で、それぞれどんな購入履歴があって、どのような刺激をきっかけに購入したのか。ブランドロイヤルティを高め実利を重ねる施策とは何かを、データを基にして提案していく。

買う瞬間にこそ、データを使ってアプローチすべき

近年、テレビの視聴データや人流データなど、あらゆる消費者の動きが可視化できるようになった。またそれらを利用した精緻なターゲティングでの広告配信も可能になっている。

一方でそうした複雑さが、消費者にとって、「知る」から「買う」までの距離と時間を遠ざけているのではないかと松田氏は話す。

「マス広告に露出する量を増やすだけでは、自分ごととして感じてもらいにくい時代。またブランドのステージやカテゴリによっても、アプローチの手法は変わります。例えば、酒類など購入者が限られている商品を新たに発売する時、通常の商品と比較してターゲットとなるユーザーの間口は狭まります。この時にテレビCMを打った場合、確かに認知度は上がりますが、認知した人のうち、実際に購入する人は数パーセント。とはいえその人たちは、非常にロイヤルティの高い顧客になる可能性がデータ上も見えている⋯そうした人たちにトライアルしてもらうことで、リピーターの創出や、オーガニックな情報発信を起点にしたファンづくりに繋がるのではないでしょうか」。

広告で醸成された認知を「購買」として刈り取る

「マーケティング活動を行う上で、やはり最大のハードルは『実際に手にとってもらう』ということ。マス施策でいかに適切な認知を積み上げても、その先には高いハードルが待っています。『知る』と『買う』の間のアプローチをしっかりと設計することで、それらの施策はやっとブランドにとっての実利となり、ブランド経営にインパクトをもたらします」。

この「知る」と「買う」の間をいかにつなぐかを、カタリナは研究し続けている。

その研究の成果として同社が提供するソリューションのひとつが、特定商品の購買履歴でターゲティングして顧客へリーチする、カタリナターゲティングメディアの仕組みだ。

「マス施策のゴールは、ブランドに関する情報をしっかりと伝え、イメージやエクイティを構築すること。一方ブランド経営のゴールは、消費者に商品を購入してもらうこと。マス施策で獲得した認知を、ブランド経営のゴールである『購買』として刈り取るお手伝いができるのが、私たちカタリナのソリューションです」と松田氏は語る。

機能するマーケティングで投資の最適化を図る

例えばある飲料メーカーでの施策では、テレビCMを5カ月間出稿した後、さらにCMと並行してカタリナの施策を追加したところ、月間の新規購買者獲得数は1.68倍。10万人を獲得するまでの期間は8週から3週へと短縮されたという【図表】。コストパフォーマンスだけでなく、タイムパフォーマンスにも優れた結果をもたらしたのだ。

図表 飲料マーケティングにおける施策の効果
※上市後3週は除く

限られた予算の中でKGIの達成に向け、どのような施策を実施すべきか。

「複雑化する世の中、顧客のニーズや価値観を“想像”するだけでは答えは見えてこないものがある」と松田氏は話す。

「私たちのビジョンは、『機能するマーケティングを実現する』ということ。どうすれば『機能』したことになるのかをデータをもって示すことによって、マーケティング活動の最適化を図ってほしいと考えています」。

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