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シニア向けコミュニティで生活実態や嗜好性に合わせたアプローチ

らくらくコミュニティ運営事務局

顧客接点のデジタルシフトにより、データを活用したマーケティング戦略が一般的になってきた。しかし、デジタル上での接点が少ないシニア層では、こうしたデータを活用した施策企画・実行が難しい面もあった。ドコモのシニア向けスマートフォンに付帯しているシニア特化型SNSの「らくらくコミュニティ」では、デジタル接点として約260万人の会員を抱える。らくらくコミュニティの戦略アドバイザーである久住安里氏(Omelette)と、実際に「らくらくコミュニティ」を活用し、新たなシニア向け施策に取り組んだ、日本生命保険の笠原有子氏に話を聞いた。

左から
日本生命保険
事業企画室
担当課長
笠原有子氏

Omelette
執行役員
らくらくコミュニティ戦略アドバイザー
久住安里氏

シニア向けスマホにプリインストール 260万人にデジタルアプローチ

──シニア特化型SNSの「らくらくコミュニティ」の概要についてご紹介ください。

久住:当社は2019年よりシニア特化型SNS「らくらくコミュニティ」の活用方法や活性化手法の検討をしてきました。現在では、会員数260万人を超す日本最大級のシニア特化型SNSに成長しています。

日本の65歳以上の高齢者の人口は3589万人で、国民全体で見ると3.5人に1人がシニア層(内閣府『令和2年版高齢社会白書』)。非常に有望なマーケットであるものの、特にデジタル上で日常的に接点を持ちづらいターゲットであることが、多くの企業の課題になっているとの考えがあり、らくらくコミュニティを活用したマーケティングソリューションの開発を進めています。

シニア層と言っても、スマートフォン保有率を見ると60代が7割、70代が5割(NTTドコモ モバイル社会研究所調べ)で近年、デジタルシフトが急激に進んでいます。

「らくらくコミュニティ」は、シニア層におけるスマホ利用が浸透することを見据えた事業で、スマホを所有しているシニアの3人に1人が使用しているらくらくスマートフォンにプリインストールされているメディアです。260万人の全ての会員にプッシュ通知が届き、アクティブなシニアにスマホでアプローチできるため、シニアビジネスにおける新規事業の調査やマーケティング活動に活用されています。

──日本生命保険では、マーケティング活動において「らくらくコミュニティ」を活用しているそうですね。

笠原:当社では、高齢者の方々が安心して暮らしていただけるよう、身元保証や生活支援などをトータルでサポートするGranAge Star(グランエイジ スター)というサービスを提供しています。このサービスを知っていただくためのコミュニケーションで「らくらくコミュニティ」を活用しました。プライベートな悩みや不安を家族以外に頼るということへのハードルもあり、認知獲得が難しい部分もありました。そこで「らくらくコミュニティ」内に広告を出稿したところ、コールセンターへの架電増加など効果を実感できました。その成功事例もあり、今回の「ペンギンプロジェクト」の広告配信に繋がりました。

──「ペンギンプロジェクト」の詳細について教えてください。

笠原:「ペンギンプロジェクト」は日本生命が、“みんなで子どもを育てる社会”の実現を目的にしたプロジェクトです。子育てと仕事の両立支援や、学資保険、育児相談ホットラインなど様々な情報発信や商品・サービスの提供を行っています。同プロジェクトは子育ての壁や不安を当事者だけに留めるのではなく、次世代に向けて社会全体で考えるべき問題として捉えているため、シニア層に向けた広告も非常に重要です。

久住:今回は「ペンギンプロジェクト」内でクラウドファンディングを募る期間に合わせ広告を出稿いただきました。そこで、「らくらくコミュニティ」の会員情報を元に過去に寄付をしたことがある方や社会貢献活動に興味がある方に向け、どういった情報発信が適切かを会員データから分析しました。その結果、当事者意識を持ってもらうことが重要だと考え、タイアップ記事では虐待により犠牲になってしまう子どもや、貧困に苦しめられている子どもがらくらくコミュニティの会員の皆さんの身近にもいる現状を訴えるタイアップ記事を配信。あえて強いメッセージを伝えることで、社会貢献意欲の高いシニアにアプローチしました。

図表1 「ペンギンプロジェクト」タイアップ記事

シニアの行動実態を分析 データドリブンなプロモーション

久住:13日間の配信期間で、リーチ数としては約226万人に通知。約11万9000人が開封(開封率は5%)しました。またタイアップ記事内にはクラウドファンディングの申し込みフォームに飛ぶURLを設け、クリック数は1900人となりました。

笠原:施策実施後に、通知メッセージを開封していただいた約11万9000人の属性レポートを共有してもらいました。すると、クラウドファンディングの申し込みページに飛ぶURLをクリックしたのは80代以上が最多となり、興味関心の項目で「園芸」や「リフォーム」などを選択している方が多いことが分かりました。これは当初、想定していた年代や興味関心のカテゴリとは異なるものでした。実際に反応してくださった方の属性が詳細に分かることで、次回以降の施策に反映させることができます。

久住:また、「らくらくコミュニティ」の「かんたん申し込み機能」で入力してもらった情報を元に、ユーザーIDごとの属性把握によるデータドリブンなプロモーション戦略をクライアントの皆さまに提案することが可能です。ユーザーIDによるデータ分析は、様々な企業が実施をしていますが、中でもシニア層に特化したサービスは当社の強みだと考えています。デジタルを活用するシニア層の属性データを所持しているので、一時的なプロモーションだけではなく、マーケティング施策にも活かせます。

シニアをターゲットにした商材・サービスはもちろん、シニア層の特性に合わせた施策を行いたい場合にも活用いただけると考えています。

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