人間の記憶はアテにならない 「認知」と「到達」の違いに注意
年末、実家の香川県に帰省。『ミシュラン観光ガイド』でも評価の高い栗林公園に妻と散歩にでかけた。ブラタモリ※1で得た知識をひけらかしながら歩いていると、妻が不意に、栗林公園に来たの本当に久しぶり。やっぱりいいわ。と。え?と、ぼく。4月に来たばっかりやん。すると今度は妻が、え?⋯誰と来たん?
人間の記憶とはこれほどまでにアテにならない。広告調査の際に「広告を見た、または見たと思う」という質問は、記憶をたずねている。つまり「認知」についての質問であり、「広告到達」とは異なることに注意が必要だ。また、できるだけ受動的な手法で実証することが重要になってくる。
本当にOOH広告を「見た」のか?視認の科学的証明手法
OOHは他のメディアと異なり、コンテンツが見たいからという理由で接触するメディアではない。完全に受動的に接触するメディアであるからこそ、OOH先進国では古くから「本当にOOH広告を見ているのか?」という質問に対して、科学的研究をベースにOOH広告を「見ている」ということを証明してきた。
実際、OOH先進国では「広告を見ている」というレベルで「広告到達」を計測している。これが、VAC=Visibility Adjusted Contacts、つまり「視認調整済みコンタクト」と呼ばれる指標である※2。
このレベル合わせをせず、様々な指標がアドホック的に使われてしまうと、データ利用の一貫性がなくなり、市場の混乱にもつながる。特にプログラマティックなどの自動化手法が拡大する中で、指標の統一は喫緊の課題と...
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