広告マーケティングの専門メディア

           

広告業界トピックス

The Power of OOH 広告を「見た」ことにこだわる理由

神内一郎

人間の記憶はアテにならない 「認知」と「到達」の違いに注意

年末、実家の香川県に帰省。『ミシュラン観光ガイド』でも評価の高い栗林公園に妻と散歩にでかけた。ブラタモリ※1で得た知識をひけらかしながら歩いていると、妻が不意に、栗林公園に来たの本当に久しぶり。やっぱりいいわ。と。え?と、ぼく。4月に来たばっかりやん。すると今度は妻が、え?⋯誰と来たん?

※1 2022年2月26日放送、NHK、「高松~巨大な海城は町をどう発展させた?~」

人間の記憶とはこれほどまでにアテにならない。広告調査の際に「広告を見た、または見たと思う」という質問は、記憶をたずねている。つまり「認知」についての質問であり、「広告到達」とは異なることに注意が必要だ。また、できるだけ受動的な手法で実証することが重要になってくる。

本当にOOH広告を「見た」のか?視認の科学的証明手法

OOHは他のメディアと異なり、コンテンツが見たいからという理由で接触するメディアではない。完全に受動的に接触するメディアであるからこそ、OOH先進国では古くから「本当にOOH広告を見ているのか?」という質問に対して、科学的研究をベースにOOH広告を「見ている」ということを証明してきた。

実際、OOH先進国では「広告を見ている」というレベルで「広告到達」を計測している。これが、VAC=Visibility Adjusted Contacts、つまり「視認調整済みコンタクト」と呼ばれる指標である※2

※2 2022年10月、2.1.2.視認調整、“Global OOH Audience Measurement Guidelines日本語版”

このレベル合わせをせず、様々な指標がアドホック的に使われてしまうと、データ利用の一貫性がなくなり、市場の混乱にもつながる。特にプログラマティックなどの自動化手法が拡大する中で、指標の統一は喫緊の課題と...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

広告業界トピックス の記事一覧

NHK、2年ぶりの赤字予算 受信料収入は大幅減収見込み
The Power of OOH 広告を「見た」ことにこだわる理由(この記事です)
MAGAZINEの語源は「『知』の倉庫」 人起点で考える企画が価値
地方紙各社の新事業 多彩に展開 住民の交流、地元企業の発信など支援
2023年、OOH広告トレンド予測 押さえておきたい5つの動向
出版社が知っておきたい雑誌広告のIP活用
デジタル事業めぐり新聞社から新会社続々 地域の課題解決はじめ狙いさまざま
NHK、民放連、新聞協会からヒアリング 情報空間の在り方を考える必要を指摘
The Power of OOH どローカライゼーション
世界中の出版社が2年ぶりに集結 国際雑誌連合ワールドメディアコングレス
新聞各社の防災企画 命守る情報を平時から発信
NHK、経営計画修正案を発表 受信料値下げで来年度は減収見込み
The Power of OOH 指標のニューノーマル
出版社が取り組むCookieレス時代のコンテキストターゲティング
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する