毎日の紙面などで防災を啓発 新聞の特性と記者の取材経験生かす
自然災害が相次ぐ中、新聞各社は平時から読者の防災意識を高めておくための新企画に取り組んでいる。命を守るために必要な知識を災害が起こる前に把握してもらう狙いがある。
福島民報社は7月30日、年間を通じ毎日の紙面などで防災を啓発する企画「365日の防災」に着手した。「365日の防災欄」を毎日の紙面に載せ、災害から命を守るために知っておくべき教訓や、災害時に役立つ情報を紹介している。また、節目に合わせて防災関連の特集も組む。防災関連の記事には統一のワッペンを入れている。読者の防災意識を平時から高めてもらう狙い。防災欄の内容は災害報道と連動させる。8月3日以降に東北や北陸を中心に各県で大雨が降ったことを受け、7日付の防災欄では水害に遭った場合に確認すべき点などを伝えた。
企画は東京支社の営業局が中心となり、編集局と連携しながら全社的に進めている。防災欄は営業局の担当者が災害取材を経験した記者や防災の専門家らに話を聞き、内容をまとめる。企画の背景として、読者の手元に毎日届く新聞の特性と、災害取材を通じて記者が得た知見を生かそうとの考えがあったという。
津波発生時の浸水の深さ表示 地域の河川の水位確認できる動画掲載
宮城県仙台市に本社を置く河北新報社は8月4日、地震による津波が発生した場合に予想される地域ごとの浸水の深さがわかる地図サイトを電子版上に開設した。浸水の深さを8段階に色分けして表示。青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県が対象。利用者が衛星測位システム(GPS)を搭載するスマートフォンなどで見ると...