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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

雑多なものと出会える場に身を置いてみる-インプットの極意(1)

武藤新二氏(電通)

    情報収集の極意

    ☑プロが編集した情報やモノゴトと出会える時間を、日常生活の中で意識的につくる。

    ☑印象に残ったことを「タグづけ」しておく。

    ☑忘れるのは当たり前。新たにどんどんインプットすればよい。

自分なりの楽しみを持ちながら、新しい発見や出会いを求める

ここは渋谷にあるデパートの地下のお菓子コーナー。年末の贈りものを求めて、はや2時間も物色を続けている。すでに、贈りものを探して訪れたデパ地下はここで3カ所目。パッケージにセンスを感じるもの、お菓子自体が映えるもの、話題性のある旬なもの、これがセレクトの基準。

誰が決めたわけでもなく、自分で勝手に決めたこと。予算は1万円。1点買いではなく、単価千円前後のものをたくさん探し出し、詰め合わせにして贈るというのが、自分に課したミッション。それが、楽しい!宝探しのような感覚と、両手いっぱいにショッピングバッグを抱えて歩く快感は、なかなかのものだ。

とはいえ、わざわざ時間をかけて、そんな面倒なことをしなくても、ネットで探せば検索もできて、ポチれば終わり。あとは梱包も発送も自動的にしてくれるのに…というご意見を持つ方もいらっしゃるだろう。おっしゃるとおり!その方が便利に決まっているし、僕だって、そうした買いものも当たり前のようにしている。

でも、デパ地下を何軒もはしごするのにはワケがある。自分が知らない、興味のない情報やモノゴトに、あえて出会える機会=インプットの時間をつくる。できれば面白がりながら。これが、30年にわたって、アイデアを武器に企画の仕事を生業にしてきた僕のインプット術なのだ。

近年、インプット術はその重要性が急激に高まっている、というのが僕の実感だ。SNSには自分の興味をそそる投稿が流れ、ネットコマースでいつでも簡単に欲しいものが買え、映像配信サービスではリコメンドリストから選んでコンテンツを楽しむ。気がつけば、最短距離で情報やモノゴトと接し、それは自分の好きなものばかりで、心地よく、便利。失敗はしないし、タイムパフォーマンスもばっちりで、効率はいい。でも、その沼にはまっていくのは、商売柄まずい。

自分の知らないものや興味の外にあるものとの偶然な出会いがなくなってしまう。そこから抜け出すためのインプット術が、一層大切になってくるというわけだ。

僕のインプットの方法はシンプル。情報やモノゴトが雑多に集まる環境に身を置く、もっと言えば、その道のプロが編集したそれらと出会える時間を、日常生活の中で意識的につくるということ。僕が実践しているのは、たとえばこんな感じ。

①本屋さんで月に一度は過ごす

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