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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

情報は探すものではなくて出会うもの-インプットの極意(2)

野村一裕氏(ビーケージャパンホールディングス)

    情報収集の極意

    ☑自分が見えている世界と、他の人が見えている世界は全く別物だと認識する。

    ☑常に商品・ブランドのことを考えているからこそ、日常生活のすべてが情報源になる。

    ☑自己分析をすることが、新たな発見にもつながる。

ブランドらしい発信はどのように生まれるのか?

12月2日の早朝に行われたFIFAワールドカップ・カタール大会の日本対スペイン戦。VAR判定で「ボールがラインを越えていなかった」ことが日本の逆転に繋がり、そのシーンは世界的に話題となりました。それを受けて私は翌日の夜、バーガーキング・ジャパンの公式Twitterで、「ちゃんと入ってます。」と画像付きで投稿しました【画像】

©ガジェット通信

私は今、バーガーキングのマーケティングディレクターとして、ブランド全体のコミュニケーションを統括しています。2020年11月に実施した「BURGER KING TOWN 物件情報サイト BK TOWN ROOM」は、「お店が近くにない!」というTwitter上の声を受け、逆にファンに店舗の近くに引っ越してきてもらおうというもの。大手賃貸物件検索サービスと連携し、バーガーキング店舗が近い物件を探せるWebサイトを制作しました。

SNSの投稿から広告、店頭施策まで、「バーガーキング」らしい発信とは何かを常に考えながら、アウトプットをしてきました。今回は私が日々心掛けていることをお話します。

情報を「探して」も面白い施策にはつながらない

まず情報を「探して」も、ユニークなアウトプットにはつながらないと考えています。

「探す」という行為は、探究心からくるものです。どちらかというと目的やアイデアがすでにあって、それを肉付けや裏付けするための行動である、と思っています。

例えば、打ち込む検索ワードは、自分の知っている範囲の中からしか出てきません。自分がユニークな存在ならよいですが、「探す」行為は、最終的にクリエイティブでいいアイデアにつながることとは相関がない。言い変えると、「自分だけが面白いと思っているものに肉付けしているだけ」。こうなると世の中の共感を生むことは難しいと考えます。

では、どうしたらよいのでしょうか。私は「見つける癖」と、「見つけた!というユリイカの感覚」を養うべきだと考えます。ここで重要なのは、日々どういうことに意識を傾けているか、です。

基本的に...

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