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REPORT

話題のテレビCMで振り返る オープンハウス、認知拡大施策の背景

加藤勤之氏(オープンハウス)

「東京に、家を持とう」や「好立地、ぞくぞく。」など、豪華キャストをテレビCMに起用しながら独自のプロモーション展開を仕掛け続けるオープンハウス。驚異のスピードで業界6位まで成長した背景を、実際のテレビCMと共に振り返ります。

※本記事は2022年11月17日に行われた「宣伝会議サミット2022」のセッションを記事化したものです。

マーケットインで成長してきた売上1兆円を目指すオープンハウス

不動産業を展開するオープンハウスは、昨今はテレビCMを活用し、着実に認知を拡大させてきました。創業は1997年。2022年で25周年を迎えた会社です。

展開している地域は東京・大阪・名古屋・福岡の4エリアのみですが、2022年9月期の売上は9526億円。来年度は1兆円を目指しています。

オープンハウスといえば戸建てというイメージを持つ人も多いと思いますが、実はマンションブランドもあり、大きく4事業で不動産業を展開しています。

当初は不動産の仲介業から始まったオープンハウスですが、続けているうちに「お客さまにとっての良い土地や建物」が多くないことに気が付きました。良い土地や家がないのであれば自分たちで仕入れて、建ててみようという考えに至り、現在は仲介、設計、建設、土地の仕入れまで全てを担うようになりました。

つまり、他の多くの不動産業が既存の土地や建物を起点に商売を考えるプロダクトアウトのビジネスモデルだと考えると、オープンハウスはお客さまにとってより良い建物・土地を創出するマーケットインの考え方で成長してきた企業なのです。

テレビCMでの訴求内容 どのタイミングで変えてきたのか

続いてプロモーションについての話に移行しましょう。オープンハウスは現在、不動産業界6位の売上を誇っています。ここまで成長するのには企業名をはじめとして、私たちが何者なのかを知ってもらう。つまり認知を拡大する必要がありました。そして、認知に時間をかけた後に行ったのが機能訴求。「オープンハウスは家を売っているとわかったけれど、他社と何が違うのか」ということについて発信するフェーズです。そして現在、プロモーションで実現しようと挑戦しているのが「定番化」です。

この①認知拡大、②機能訴求、③定番化のフローを当社歴代の...

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