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REPORT

共創で生まれる理想の「テレビ」とは?

冨士川祐輔氏(フジテレビジョン)、綾瀬龍一氏(AbemaTV)、安藤元博氏(博報堂)、谷口優(月刊『宣伝会議』)

日本におけるコネクテッドTV(以下、CTV)のデバイス普及率は50%を超えたと言われている。これに伴い、テレビデバイスでのインターネットコンテンツ視聴が増加。データ連携により、テレビが持つ効果の可視化も進んでいる。また、2022年4月からは地上波放送のインターネット同時配信がスタートするなど、「テレビ」と「デジタル」の融合は進む一方だ。本セッションでは、「テレビの未来」について、各プレイヤーの専門家がディスカッションした。

左から
月刊『宣伝会議』
編集長
谷口優

博報堂 常務執行役員
博報堂DYメディアパートナーズ
常務執行役員
安藤元博氏

AbemaTV
ビジネスディベロップメント本部
プロダクトマネージャー
綾瀬龍一氏

フジテレビジョン
デジタルデザイン部
局次長職企画担当
冨士川祐輔氏

激変するテレビを取り巻く環境 広告主にとっての価値とは?

テレビとデジタルの連携が進みつつあるなか、広告主にとってのテレビの価値はどのように変化してきたのだろうか。

AbemaTVで広告枠の開発に携わる綾瀬氏は、現在『ABEMA』においてもテレビデバイス経由での視聴が増加しているとし、その背景には、スポーツや音楽ライブなど、大画面のデバイスだからこそ楽しめるコンテンツの増加があると述べる。

「今後はCTV広告枠の開発に注力していきたいと思っています。ただ、これまで放送局が築き上げてきた“広告主が安心して出稿できる風土”を守ることは引き続き留意していかなければなりません」と、テレビCM、ひいてはテレビの価値は、広告主や視聴者からの信頼度の高さにあると指摘する。

また「視聴者の目線に立つと、もはや地上波かオンラインかの区別はなくなっていこうとしています。それにも関わらず、地上波と動画サービスの広告活用という観点ではまだ隔たりが存在している。この両者をつなぐのがデータだと思うし、必要な範囲においてプラットフォーム同士でのデータの共有も必要になってくるのではないか」と話した。

フジテレビの冨士川氏も「私たちのような従来のテレビ局とABEMAさんのようなインターネット放送局は、“競合”ではないと思っています。クライアントが求めるのは目的に応じた『コンテンツ』に出稿する仕組みづくりではないか」と綾瀬氏の発言に賛同の意見を述べる。

これまで、視聴者参加型のCMをつくるサービス「CxM(シーバイエム)」の開発に携わるなど、デジタルを活用した取り組みに尽力してきた冨士川氏。一方的な情報発信ではない、新たなコミュニケーション手段としてのテレビの価値を提示する。また...

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