創業100年を超える味噌・麹の食品メーカー、ハナマルキが音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」とコラボレーションを実施。意外性のあるこの組み合わせは、どのような経緯で生まれたのか。取締役 兼 マーケティング部長の平田伸行氏が解説する。
独創的な商品には独創的なプロモーションを
味噌・麹製品を製造販売するハナマルキの創業は1918年。100年以上もの歴史を持つ同社が今年3月、Z世代の若者たちに人気のアーティスト「ずっと真夜中でいいのに。」(以下、「ずとまよ」)とコラボし、SNSで大きな話題を呼んだ。
マーケティング部部長の平田伸行氏によれば、今回のコラボはZ世代向けの企画ではなかったのだという。「今回、『ずとまよ』とコラボした当社の商品『“スグ旨”カップ』は、お湯を注ぐだけでみそ汁ができる商品です。粉末の味噌とフリーズドライの具をそのままカップに入れたため、小袋がなく手も汚れません。こうした独創的な商品であるからこそ、プロモーションも独創的なものでありたい。それが、今回のオリジナリティあるコラボにつながっているのです」。
「ずとまよ」は、ボーカルの「ACAね(あかね)」を中心とした音楽ユニット。2018年に活動を開始し、デビュー曲の「秒針を噛む」の動画はYouTubeで1億1,400万回再生され各楽曲の動画総再生数は、5億2,000万回を超えるという、まさに“時代の寵児”とも言える人気アーティストだ。そんな両者がコラボに至った経緯はボーカルの「ACAね」によるSNS投稿がきっかけだったという。
「ずとまよ」ファンの期待を上回る 4つのスペシャルコラボレーション
「ある日、ACAねさんがご自身のInstagramに『スグ旨』の“揚げなす”の写真をアップ。それが今回のコラボのきっかけになりました」と平田氏。
だが、「ずとまよ」は顔を出さないアーティストでもあるため、コラボをする上でも独自の表現方法を模索することになったのだという。
「企画を決めるポイントは常に、『独創的な企画かどうか?』です。正直な話、『ずとまよ』ファンには今回のコラボを強く支持してもらえる確信がありました。ファンにとっては“なんでみそ汁?!”という意外性が喜ばれるでしょうし、『ずとまよ』の新しい見せ方ができると感じていました」と平田氏は言う。
スペシャルコラボの中身は、次の4つ。①コラボ限定具材・パッケージの開発、②「ずとまよ」初アリーナ公演での「みそ汁つきチケット」を発売、③「スペシャルムービー」をYouTubeで配信、④「ずとまよ」公式通販サイトでの“スグ旨”の抽選販売。
まず、①では「スグ旨」の具材とスープを共同で開発。ACAねさんがSNSで推した「揚げなす」に、...