コモディティ化が進む飲料市場だが、近年新たなカテゴリーとして成長しているのが炭酸水だ。清涼飲料、茶系飲料以上に差別化の難しいこの市場に新たな戦略でサントリー食品インターナショナルが投入したのが「THE STRONG 天然水スパークリング」だ。パッケージから広告まで“五感”に訴えかけるような、同ブランドの戦略とは。
THE STRONG 天然水スパークリング>>“バキバキボトル”で五感に訴える
炭酸水市場の課題
●無糖炭酸水市場の伸長による、競合の増加
●炭酸水は、水と炭酸のみで構成されるという特性上、中味での差別化が難しい
●ボトル加工技術に制約があり、見た目でも差別化が打ち出しづらい
課題を解決するアイデア
●ボトル加工の技術開発で、見た目から違いを打ち出す
●ガス圧だけでなく、統合コミュニケーションで“強炭酸”を伝える
拡大する無糖炭酸水市場 10年前との比較で約8倍に
サントリー食品インターナショナルは2021年6月、同社の天然水ブランドから「THE STRONG 天然水スパークリング」を新発売した。同商品の一番の特徴は、凹凸が目立つパッケージデザイン、通称“バキバキボトル”だ。
2020年の無糖炭酸水の生産量は、10年前と比較して約8倍に拡大。2021年もコロナ禍による「おうち需要」の影響で家飲みの機会が増えたことから、酒類の割材としてのニーズも高くなっており、市場はさらなる伸長が見込まれている。
そんな中で、同社が発売した強炭酸水「THE STRONG 天然水スパークリング」は、消費者の“五感”に着目した商品だ。炭酸水は、水と炭酸のみで構成される飲料商品であるため、他商品との差別化は難しい。そこで同社が注目したのがボトルデザイン。先述のとおり、ボトルの表面に凹凸を採り入れ、手に持ったときの“触り心地”から炭酸の強さ・刺激を連想できるよう設計されている。
ブランドマネージャーの高山真宣氏は、開発には消費者調査の結果が大きく関係している、と話す。
「もともと当社では『サントリー天然水スパークリング』という、当時最高レベルのガス圧でつくられた炭酸水を販売していました。しかし、消費者調査の結果からは...