江戸時代から続く化粧品メーカー伊勢半。「ヒロインメイク」など時代に合わせたヒット商品を生み出してきた同社だが、今年7月に、D2Cブランド「MN」をローンチした。老舗メーカーが、これまでにないビジネスモデルに挑戦する際に直面した課題とは?同社の大町龍氏に聞いた。
MN「MY MIXED PALETTE」>>260万通りのカスタマイズが可能、伊勢半初のD2Cブランド
老舗メーカーの課題
●D2Cブランドの潮流に対応できていないこと
●プロジェクト進行が従来と異なること
課題を解決するアイデア
●消費者調査を行い、対象顧客の声を聞く
●時代とともに変わる価値観の変化に、いち早く対応する
伊勢半初のD2Cブランドはカスタム可能なメイクパレット
化粧品メーカーの伊勢半は、2025年に創業200周年を迎える超・老舗企業だ。そんな同社は今年7月、創業以来初となるD2Cセルフメイクブランド「MN(エムエヌ)」を発表。第一弾としてアイシャドウや汎用性の高いリップ&チーク、さらにハイライトも加えた4種のアイテムが50色の中からカスタマイズ可能なメイクパレット「MY MIXED PALETTE」の販売を開始した。
「MN」という商品名は「ME. NOBODY ELSE.(他のだれでもないわたし)」の頭文字からとったもの。「革新と独創のセルフメイクで、世界を塗り替える」という同社のビジョンを体現する象徴的コスメとして、メイクを通して“自分らしさ”を模索する現代に生きる人々のそばに寄り添えるブランドを目指す。
共感・体験・共創がキーワード マス広告が効かないZ世代に対応
コミュニケーション本部 本部長の大町龍氏は開発の経緯について、「米国でD2Cブランドが台頭している潮流をみて、これは日本にも来ると考えていました。そこで2018年頃から、社内でブランド開発の企画が始まったのです」と話す。
また、ダイレクトチャネルであれば、一人ひとりの顧客とパーソナルな関係をつくることが可能だ。その利点を生かそうと考えると、自然とコンセプトは“カスタマイズ”の方向に向かったという。
デジタルネイティブ世代におけるセルフメイクのあり方を再考した時、お客さまに寄り添い「自分らしさ」を支えることのできるD2Cコスメに...