伸長する炭酸水市場で差別化を図るには?ヒントは「五感」に着目した炭酸刺激の感じ方
コモディティ化が進む飲料市場だが、近年新たなカテゴリーとして成長しているのが炭酸水だ。清涼飲料、茶系飲料以上に差別化の難しいこの市場に新たな戦略でサントリー食品インターナショナルが投入したのが「THE STRONG 天然水スパークリング」だ。パッケージから広告まで“五感”に訴えかけるような、同ブランドの戦略とは。
業界別マーケティング課題 最先端の解決事例
2020年3月、江崎グリコは「プッチンプリン」ブランドから「植物生まれのプッチンプリン」を発売。100%植物原料での製造は、同ブランドにとって初の試みだ。発売にあたり、むしろコモディティの促進を期待したいとも話すブランド担当、篠 歌寿子氏にその理由や経緯を聞いた。
パッケージには葉などをあしらい、「植物」が想起されるものに。
●コンビニスイーツの浸透など、プリン市場の競合は増加
●健康の観点から菓子は「毎日食べるべきではない」と考える人がいる
●卵、乳を使うプリンはアレルギーやヴィーガンの人は食べることができない
●これまでプリンのターゲットとなりえなかったアレルギーを持つ人に照準
●“植物生まれ”の商品で健康志向の人のニーズにも応える
「プッチンプリン」は江崎グリコが販売する人気商品であり、来年で発売50周年を迎えるロングセラーブランドだ。
周年を目前に控えた昨年3月、同社はプッチンプリン史上初となる「植物生まれのプッチンプリン」を発売した。
同商品の特徴は、プリンをつくるのに必要な卵や乳などの動物原料を使用せず、豆乳やきび砂糖をはじめとした植物原料のみでつくられていること。アレルギーを持つ消費者、ヴィーガンの消費者は、これまでプリンを食べることができなかったが、そうした消費者でも楽しめる「新世代のプリン」を目指した。
開発のきっかけは、「皆がおいしい時間を楽しめるように」という想いだったとブランド担当の篠 歌寿子氏は、その経緯を話す。
「プリンの原料に使用される卵、乳に対して、アレルギーをもつ人は、当然ながらプリンを食べるという経験をすることができません。例えば、給食で出ても周囲の人がおいしそうに食べる姿を見ることしかできない人が大勢いるのです。その人たちにも、プリンでおいしい時間を楽しんでもらう方法を考えた結果、生まれたのが『植物生まれのプッチンプリン』でした」。
また近年、消費者の健康志向が高まっていることにより、プッチンプリンブランドが属する菓子カテゴリーは、糖質などの健康的な...