ベクトルグループのアンティルは3月、「地域企業のマーケティングを成功に導くPR」をテーマに福岡・名古屋・札幌でセミナーを開催した。近年、注目が高まっているコンテンツマーケティングについての解説の他、同社が提唱する「クワトロメディア」ブランディングの概念に基づく、コミュニケーション実践事例を紹介した。
PR主導のブランディングがいま、必要とされる理由
ベクトルグループの中で、PRを主軸とした幅広いマーケティングソリューションを提供するアンティルでは、「クワトロメディア」ブランディングの概念に基づくコミュニケーション活動を推奨している。
クワトロメディアとはPaid、Earned、Shared、Ownedという4つのメディアセグメントで、PESOとも呼ばれる。13日の福岡会場で登壇した同社の南口善史氏は「クワトロメディアを活用したPR主導のブランディングとは」をテーマに講演。同社は、ブランディングの一手法としてコンテンツマーケティングが注目されている中、これまでのようなコンテンツ開発自体と発信におけるメディアミックスの検討だけでは不十分だと主張する。
「企業と生活者を結びつける文脈を開発し、その文脈をベースに情報コンテンツを開発、発信するが、その際に4つのメディアの特性を活かし、より魅力的、かつパワフルに伝わる形に質・量ともに変化させることが重要。またそれ以上に重要なのは、情報発信後に得られる反応を受け入れて、情報コンテンツ自体を迅速に変化させていくことである」と説明。
同社ではこの工程においてPRの双方向的コミュニケーションの考え方が欠かせないとしている。ブランディングをPR主導で行うべき理由がここにある。
「クワトロメディア」を介したコンテンツPDCA
セミナーでは、コンテンツマーケティングの実践に際して、「クワトロメディア」を介したコンテンツPDCAの実施フローを解説。まず、4種類のメディアの特徴を理解した上で、各メディアの中で、企業・サービスがどう捉えられているかの現状を把握。次いで、目指すべきブランディングの方向性に合わせて、各メディアにおける理想のゴールを設定。ゴール達成に向けて、メディア毎に最適化した情報コンテンツを発信・流通させると説明した。
この流通段階では、例えば制作したオウンドメディアの記事をSEO対策によっていかに見られやすくするかといった観点や、現状のSNS論調を踏まえてパブリシティ活動の内容やオウンド発信の頻度をコントロールするといった、ソリューションミックスの最適化も求められる。
さらに、情報コンテンツの流通によって得られる反応をスピーディに刈り取り、その内容を受けて情報コンテンツ自体を変化させ、流通ソリューションを再度プランニングし直し再発信していくPDCAを繰り返すことが、最も重要であると語った。
第2部ではKDDI、日産自動車、BAKEがゲスト登壇者として講演。コンテンツマーケティングの取り組みをそれぞれ紹介した。
本セミナーには3拠点で、110名近くのマーケターが参加。地域の企業のコンテンツマーケティングに対する関心の高さがうかがえる3日間となった。
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