2月21日、東京・宣伝会議本社にて、「共感」が企業・ブランドの価値を高めるブランド・コミュニケーションセミナーが開催された。キャラ研が展開する日本発の絵本「くまのがっこう」が、従来のキャラクターの概念を越えて15年愛され続けてきた理由や取り組みについて語られた。
日本発・絵本から生まれたキャラクタービジネスの異端児
絵本の世界から飛び出し、15年以上愛され続けてきたキャラクターがある。キャラ研の「くまのがっこう」だ。
「くまのがっこう」は11ひきのおにいちゃんくまのこたちと、いたずら好きのくまのおんなのこ、ジャッキーが繰り広げる日常を描いた物語である。中国、台湾、韓国などのアジア諸国やフランスなど海外にも進出する日本生まれのロングセラー絵本で、その累計発行部数は222万部を超える。日本発の絵本としては最大級の規模だ。関連グッズも3万点を超えた。
さらに、ファンの年齢層の広さも「くまのがっこう」の特長のひとつ。乳幼児だけでなく、乳幼児に絵本を読み聞かせていた母親世代にもファン層が広がり、10代後半から30代前半の女性からも高い支持を集めているという。入れ替わりが激しく、対象年齢が狭まりがちなキャラクタービジネスにおいて、非常に珍しい傾向だ。
キャラ研代表取締役の黒木博氏は「前職のバンダイ在籍時に200以上のキャラクターを扱ってきたが、ファンが"卒業しない"という点は、『くまのがっこう』だからこその魅力」と話す。
キャラ研独自の成り立ちや世界観を徹底的にブランドへ生かす
こういった背景を持つ「くまのがっこう」に魅力を抱く企業は多く、商品・パッケージ開発など、単発的なキャンペーンに留まらないコラボレーションが数多く実現してきた。
また、15周年を迎えたタイミングでは「くまのがっこう」初の原画展巡回を全国で開催。開催地外から訪れるファンも多く、16年目を迎えても、その勢いは止まらない。
15周年を迎え、ますます勢いが加速する「くまのがっこう」から、ブランド運営やカスタマーとのコミュニケーションのヒントを得ようと、『「共感」が企業・ブランドの価値を高めるブランド・コミュニケーションセミナー』が2月21日に開催になった。セミナーに先立ってキャラ研の黒木博氏が登壇し、キャラ研と「くまのがっこう」が持つ独自性について語られた。
具体的には、社内でキャラクターを創作し作家となった経緯から、作家との連携が取りやすく、原画作成などの商品化に迅速に対応、一体となって商品をつくっていける点。「くまのがっこう」のみを所有・展開する体制のため、カスタマーの小さな声も徹底的に吸い上げられ、少数精鋭でスピード、世界観ともに損なわずに仕上げることが可能な点。アジアを中心とした世界進出も全ての版権管理をキャラ研1社で担っているため、グローバル展開も仕掛けやすい点などが説明された。
また、絵本における設定が「がっこう」であることも重要な特徴と説いた。幼稚園・保育園を始めとした「学校」との親和性が高いため、保育士の方がキャラクター商品のエプロンや小物を着用。結果として全国45万人の保育士の方が伝道師となって「くまのがっこう」の魅力を広めてくれるという。
同じくキャラ研の中尾恭太氏からはより具体的な「くまのがっこう」の展開事例について説明があった。「累計3万点を超える商品、それを販売する店舗のプロデュース、企業とのコラボレーション、原画の展覧会の他、CSRとして、頑張る子供たちを応援する『チア ジャッキーズ!』も展開。絵本という目的(設定)にこだわり過ぎず、多方面に意識を向けながら顧客と多様な接点をつくる。目指すべき本質は、愛されるキャラクターづくりと意識して日々取り組んでいる」と話した。
キャラクターの世界観が自社製品の課題への打ち手に
さらにセミナー当日は、「くまのがっこう」とライセンス契約を結ぶ企業やコラボレーションを実施した企業の担当者が登壇し、他社から見た「くまのがっこう」が持つ特性や魅力について語られた。
「くまのがっこう」のライセンシーとして登壇した学研ホールディングスの宮原雄一氏は、保育園や幼稚園で使用する知育教材について触れ、「絵本から生まれた『くまのがっこう』は良質なプロパティであり、道徳性もある。学研では商品化を目的に使用しているが、デザインのバリエーションが豊富で、絵本の発売と同時にイラストの展開が可能。総じて当社の他にもライセンシーが約80社あるため、取引の交流で拡充性ができる」と話した。
続くパネルディスカッションでは、森永乳業の長谷川舞氏、学研ホールディングスの宮原氏、本田技研工業の加藤久氏、キャラ研の中尾氏が登壇。ビジネスやブランドにおけるキャラクターの活用について語った。
中でも、森永乳業では39種類の商品パッケージを「くまのがっこう」の登場キャラクター「ジャッキー」仕様にしたコラボレーションの実績を持つ。
森永乳業の長谷川氏は「商品の認知向上と共に、母親たちが感じるベビーフードを使うことは手抜きではないか、という罪悪感を取り除きたかった。『くまのがっこう』を選んだのはジャッキーがママと赤ちゃんに安心感を与える存在だから。実際にお客さまからは『ジャッキーの絵が優しくて、育児をしていて癒される』という声が寄せられている」と語り、「メーカー発信の情報は受け入れられにくいが、第3者であるキャラクターがいることで自然に受け入れられやすくなる」と、キャラクターを用いるメリットを説いた。
キャラ研・中尾氏から「『くまのがっこう』は完成したコンテンツではなく、今後も新しい出会いを経て新しい可能性が生まれるだろう」とも語られたとおり、15年もの年月を愛され続けてきた「くまのがっこう」は、まだまだ進化の途中にある。
同社代表取締役である黒木氏も「『くまのがっこう』のファンは、年齢などを理由に離れることはなく、その世界観やデザイン性の高さから愛着を持ち続けてくれる。この傾向はコラボレーション先の企業にも共通している」と話す。
継続的なコミュニケーションで「くまのがっこう」ブランド強化へ
さらに「くまのがっこう」を商品化してきた企業からは「くまのがっこうは"つなげてくれる"」との声をいただけるといい、企業と企業、店舗と消費者などそれぞれのシーンで、よりつながることにも貢献できているのでは、と語る。
また「がっこう」という絵本の設定から、教育機関との親和性も高く、保育士や先生方が「くまのがっこう」を子どもたちとのコミュニケーションの題材として使ってくれるため、10年後、20年後の未来へもファンづくりも継続して行うことができる。
16年目を迎えた「くまのがっこう」は、今後45万人もの保育士や先生とのコミュニケーションを強化するなど、さらなるブランド価値の向上を図り、そのさらに先を見据えて進化し続ける。
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