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広告業界トピックス

本格化する各新聞社のクラウドファンディングサイト運営

宮浦 慎

多様化する新聞社CF

昨年12月30日付朝日新聞の朝刊に、SMAPに宛てたファンのメッセージを集めた全面広告が8ページにわたり掲載された。国民的アイドルグループの解散前日に掲載されたこともあり、大きな関心を集めた。SNSには近所の新聞販売店に足を運んで購入したといった声が書き込まれ、都市圏の主要駅での即売部数も2倍以上に上ったという。この広告の出稿は朝日新聞が運営するクラウドファンディング(CF)サイト「A-port」を通じて呼び掛けられた。

インターネット経由で誰でも広く資金を集めることができるCF。そのサイトの運営に取り組む新聞社が増えており、多様化している。強みである発信力や信頼性を生かし、地域経済の活性化など社会の課題解決を後押しする。地元銀行や自治体と連携したり、各社が推進するキャンペーンの一環として実施したりする事例もある。テストマーケティング支援など企業の課題の解決に役立てようとする動きも出るなど、取り組みは本格化している。

朝日のサイトは2015年にスタート。SMAPの応援広告には国内購入型CFで史上最多となる1万3000人超から支援があり、3992万円が集まった。これまで500万円以上の資金調達に成功したプロジェクトは10件と、日本最大級のCFサイトだ。

アート、テクノロジー、地域活性化、伝統工芸など、資金を募るプロジェクトは幅広く、常時多く案件を掲載。また、旅行会社と提携したページを開いたり、システムを沖縄タイムスに提供したりと、さまざまな展開が始まっている。

ほかにも秋田魁新報、山形新聞、上毛新聞、静岡新聞、信濃毎日新聞、西日本新聞、長崎新聞といった地方紙もサイトを開設している。多くの事例がシステムを提供するCF会社と、地域にネットワークを持つ地方銀行と共同で運営。地方自治体が入るケースもある。

新聞社は広告や記事、Webサイトを通じて、サービスやそれぞれのプロジェクトを発信している。地元と密接な関係を持つ地方紙にとって、地域活性化は切り離せない大きな課題だ。地域の核となる芽を見つけて記事で紹介するという役割から一歩進み、資金提供という形で後押ししている。

また、新聞社は飲酒運転撲滅、子育て支援や被災地への貢献など、社会の課題を解決していくさまざまなキャンペーンを行っている。

毎日新聞の「MOTTAINAIキャンペーン」は代表的な一つで、環境にやさしい商品を販売し、植林活動に寄付してきた。キャンペーンのさらなる活性化のため、昨年12月からCFサイト「MOTTAINAIもっと」を、全国信用協同組合連合会、伊藤忠商事らと開設した。同社はマイナースポーツの支援を募るサイト「毎日アスリートパートナーズ」も運営しており ...

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