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オリンピックとマーケティング

東京オリンピックを機に、観光先進国の地位を確立するには?

岡村篤(野村総合研究所)

2013年度、訪日外国人旅行者数は初めて1000万人を達成。増加傾向にあるものの、フランスやアメリカなどの観光先進国に比べ、その規模は依然として小さく、2020年の「東京オリンピック」がその起爆剤として期待される。課題と実施すべき施策を検討する。

左から東京スカイツリー、富士山、伏見稲荷大社

宿泊施設の供給不足

「東京オリンピック」は、日本に関心を抱いていない、あるいは遠距離のため訪日をあきらめている外国人旅行者が日本を訪れる絶好のチャンスとなる。この機会を活かし、日本の魅力を体験してもらうことでリピート化を促し、観光市場の持続的な成長実現を図るべきである。

オリンピック・パラリンピック(以下オリンピックと省略)が日本の観光産業に与えるインパクトはとても大きい。しかし、開催までの6年の期間に相当な準備とマーケティング戦略を講じなければ機会損失をしてしまう恐れがあることを念頭に入れておきたい。

前回のロンドンオリンピックでの観光客動向を参考にすると、開催期間中に少なくとも1回以上オリンピック関連イベントに参加した訪英外国人数は約83万人※1と推定されている(図表)。この数値は対前年同月比で大きくマイナスしていることが分かる。もともと外国人旅行者数が多い国※2ではあるが、ロンドンにあるホテルが国内需要で埋まってしまい、外国人観光客が泊まる宿泊施設がなかったのが主な理由である。

図表 ロンドンオリンピックでの観光客の動向

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東京オリンピックのチケット販売合計数は推定1010万枚。※3過去の比率に基づくと、開催期間中に約40~60万人の外国人が観戦を目的に訪日すると推計される。このような短期間に、集中して訪日する外国人旅行者を受け入れるためには、十分な体制の整備が不可欠であるが、東京の宿泊施設不足を指摘する声も聞かれている。加えて、高額との指摘もある東京の宿泊単価が、オリンピック開催期間中にさらに高騰することが考えられ、宿泊施設の供給不足が外国人旅行者の訪日を断念する要因にもなり得る。交通機関や宿泊施設の制約で訪日を断念させることがないように、戦略的な取り組みが求められる。

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