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企業コミュニケーションの理想像

加速する「共創」時代、クリエイターへのガイド

ロブ・シャーロック氏(クリエイティブコンサルタント/元Draftfcb CCO)

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ロブ・シャーロック氏(Rob Sherlock)
クリエイティブコンサルタント。グローバルでの広告・クリエイティブリーダーとしての豊富な経験を持つ。シカゴのDraftfcbではチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務め、1300人規模のオフィス、2つの事業体の合併を管理し、成長を促進した。異文化の企業組織改革の実績を背景に、コ・クリエーションに対し情熱的に取り組み、2011年スパイクスアジアのコ・クリエーションフォーラムを進行。カンヌ・ライオンズ、ワンショー、スパイクスアジアほか多くの国際広告賞で審査員長、審査員、プレゼンテーターを務める。

(1)豊富な視点から導かれる解決策

企業が抱える問題は、その企業か、あるいはエージェンシーが解決する。これが従来の課題解決のあり方でした。そこにパラダイム・シフトを起こしたのが「コ・クリエーション」。企業の課題を、エンドユーザーまでも巻き込んで解決していく手法です。

その手段のひとつにコンテストがあります。広く消費者の注目を集め、異業種の才能を活用するコンテスト形式の良さは、自由で制約が少ないこと。結果、企業課題に対する解決策に対して、従来にはない切り口が、豊富に持ち込まれやすくなっています。

こうした新たな方法論を食わず嫌いのまま遠ざけないように、私たちは「コ・クリエーション」が一体、どのようなものかを知る必要があります。というのも、多くのクライアント企業がすでに動き出しているからです。例えばユニリーバは、28万人の消費者クリエイターを擁する世界最大級の「コ・クリエーション」プラットフォーム「eYeka(アイカ)」と契約し、クラウドソーシングを通じたクリエイティブ開発を始めました。広告会社を介さずに導入したと聞きます。

(2)誰が何のために「共創」するのか

ソリューションの質を高めるために、閉鎖的な広告の世界を飛び出して、新しい才能を求める。それがいま現実に起こりはじめているのです。実際、参加者には広告業界外のプロに近い技術を持つ人、写真や映像、アートなどに関して非常に造詣の深い層の人々からの応募も珍しくありません。

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