10月31日、永井一正さん、深澤直人さん、原研哉さんら20人の著名デザイナーらが2020年東京オリンピックへの展望を語る、オープンセッションが都内で開かれました。1964年大会から半世紀が過ぎ、成熟した都市・東京。その中でデザインが果たす役割とは。
ピクトグラムは「家紋」から?
永井一正[グラフィックデザイナー]
1964年東京オリンピックと現在
1972年の札幌オリンピックで、シンボルマークを手掛けた永井一正さん。「2020年を機に、デザインの力で日本の文化力を示してほしい」。
今回のセッションは20人のデザイナーが数分ずつ登壇し、2020年の東京オリンピックに向けてデザイナーが取り組むべきこと、東京という都市のあるべき姿などを自由にプレゼンテーションするというもの。トップバッターとして登場したのは、1964年東京オリンピックのシンボルマークの指名コンペに参加したほか、1972年札幌オリンピックのシンボルマークを手掛けた永井一正さん(01)。半世紀前の東京オリンピックで築かれたデザインシステムを解説しながら、「オリンピックはスポーツの祭典であると同時に"文化の祭典"でもある。その国の文化力を示すには、デザイン力が不可欠」と話した。
勝井三雄[グラフィックデザイナー] 過去と現在
勝井三雄さんは1964年東京五輪から受け継がれたピクトグラムを解説。
また同じく1964年大会に関わった勝井三雄さん(13)も登場。当時、世界で初めて本格的なピクトグラムが導入されたが、「日本には"家紋"という文化がある。ピクトグラムは家紋という伝統のもと生まれたもので、以降のメキシコ大会、ミュンヘン大会にも受け継がれた。オリンピックは後の世界に何を継続するか、次の世代に何を残すかが重要」と振り返った。