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企業コミュニケーションの理想像

トヨタが「TOYOTOWN」というフレームを生み出した理由

トヨタマーケティングジャパン 取締役 コミュニケーション局 局長 土橋代幸

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トヨタのマーケティングの転機

近年のトヨタの宣伝機能の歴史を振り返ると、2つの転機がありました。ひとつが1982年にトヨタ自工とトヨタ自販が合併し、販売拡張部から宣伝部になったこと。それから何と言っても2010年1月、トヨタマーケティングジャパン(以下、TMJ)を設立したのも大きな動きといえるでしょう。

TMJ設立以前の宣伝機能はトヨタ自動車の国内営業本部の一つの部署であったこともあり、トヨタのマーケティング活動は短期的な販売促進の色が強かったと思います。それが今ではTMJの設立によって、広報や社会貢献、モータースポーツなどを含む「企業活動のためのマーケティング」へと変わってきました。

TOYOTOWNというフレーム

私自身は1984年に入社し、財務部門を経て1990年から宣伝業務を一貫して担っていますが、この30年でクルマと消費者の関係が大きく変わったのを実感しています。以前は利便性、機能性の追求が最優先だったクルマ選びに「自分自身の価値観と合っている企業の製品か」といった視点が加わりました。

同時に若者の「クルマ離れ」が加速しているのは認めざるをえない事実であり、機能性をアピールするような従来型の広告メッセージだけでは伝わらないし、お茶の間での話題に上らないのだと実感しています。

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