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メディアの現場から

伝統守りつつ新風を吹き込む『美しいキモノ』 編集方針は?

ハースト婦人画報社 『美しいキモノ』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

ハースト婦人画報社『美しいキモノ』DATA

  • 発売日:2・5・8・11月の各20日
  • 発行部数:約6万部
  • 創刊:1953年
  • 編集体制:4人。うち2人は20年以上同誌に携わっている。企画によって、姉妹誌の『婦人画報』編集部と連携することも。
  • ハースト婦人画報社が発行している『美しいキモノ』は1953年創刊。正統派の装いから最新のモードスタイルまで掲載し、初心者からきもの通まですべての着物愛好家が楽しめる着物専門誌だ。着物業界の読者も多い。

    年4回発行される誌面では、毎号四季折々の“着物のおしゃれ”を提唱。着物のページのみならず、着物に似合うヘアスタイルや美容、カルチャーなど和のライフスタイル全般を紹介しているのが特徴だ。

    メイン読者層は50~60代の女性だが、近年は若い世代の読者獲得にも力を入れている。

    時流を捉えた企画も

    創刊68年目を迎えた歴史ある着物専門誌を束ねるのは、2021年7月から新編集長に就任した村山亜沙美氏。

    「エレガントで清楚な装いという、『美しいキモノ』の世界は引き続き大切にしていきます。チャレンジとしては、表紙や写真の雰囲気やモデルの選び方の幅を広げていくこと。紬のような通の装いを好む方や現代風の柔らかい写真がお好きな方に向けて、これまでとは異なる雰囲気のページも入れていくことで、新しい層にも訴求していければ」と意気込む。

    このような変化が起きた背景にあるのは、コロナ禍による“ハレ”の場の減少だ。パーティーやお茶会が減ったことで、“『美しいキモノ』らしい”といわれる訪問着や付け下げなどフォーマルな着物の出番も少なくなった。対照的に、誌面ではより日常的に着られる着物を取り上げるように。2020年冬号では、いつもの仕事の場面で着物を着ることを提案する「お仕事きもの」という新しい切り口で特集。読者からの反響は上々で、2021年秋号では第2弾を行った。

    村山氏は「着物は(他のファッションと比べて)トレンドが静かにゆっくり流れるからこそ、時流を捉えた企画を入れていくのが雑誌の役割だと考えています。着物好きの方がいま何を考えているかを先読みして、毎号どこかに自分ごとと思っていただける内容を入れるように意識しています」と語る。

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