報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
交通新聞社『散歩の達人』DATA | |
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交通新聞社が発行する『散歩の達人』は1996年創刊。「大人のための楽しくディープな“街探検マガジン”」として、首都圏エリアの街の魅力を発信している月刊誌だ。
特定のエリアを取り上げる特集では、ついつい散歩に行きたくなるような情報を掲載。老舗店から注目の施設、グルメ、散歩が楽しくなるようなグッズも紹介している。
街を実際に歩いてリサーチ
“散歩雑誌”のパイオニアとして、40~50代の男女を中心に高い支持を集める同誌。編集長の土屋広道氏は「ただおしゃれで旬な情報を集めるのではなく、ステレオタイプだけではない街の素顔や意外な表情を積極的に取り上げ、街を深掘りしていくことがコンセプトにあります」と語る。
編集部員で街を徹底的に歩き回り、飲食店では必ず自らの舌で味を確かめ、グッズも実際に使ってみるというこだわりを貫いて記事制作にあたっている。土屋氏は「記事のユニークさで好評をいただいていますが、それは我々自身が街の面白いものを楽しんで探してきているからこその結果ではないかと思っています」と語る。
同じ街を何度も取り上げることもあるからこそ、編集部員は特集の切り口には毎号頭をひねらせている。例えば横須賀エリア特集であれば、単にパン屋の紹介で終わるのではなく、名物のソフトフランスパンを徹底して深掘りするのだ。
「その街にしかないオリジナリティある切り口は、実際に歩き回って見つけます。ネットには出ていない、歩いてみないと分からない情報がまだまだあるな、と実感しています」(土屋氏)。
また、2021年2月号の「健康さんぽ」特集では、シューズを実際に履いて街を歩いて、履き心地を検証。単なる商品紹介で終わらないのも『散歩の達人』の魅力だ。
熱意あるリリースを求む!
同編集部は、編集部員4人で構成。特集メイン担当が提案した企画案などを元に、月に1回、各号のテーマや構成を決める編集会議を行う。特集の肝となるリサーチは、編集部員のみならず外部ライターも総動員で実施。ひとつの街の特集で、延べ20日間以上かけてリサーチしている。
企業からのリリース情報はメイン特集で取り上げることは少ないものの、2021年3月号の第2特集『大人のさんぽグッズ大全』のようなグッズ特集の際には、過去のリリースを...