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メディアの現場から

新編集長就任のハフポスト 「弱みも見せる」広報が鍵

BuzzFeed Japan『ハフポスト日本版』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

BuzzFeed Japan『ハフポスト日本版』DATA

  • 開設:2013年5月
  • 編集体制:記者が約20人。うち約7人がネイティブアドやアフィリエイト担当。編集部と協同しながら、ライブ番組「ハフライブ」などを制作するチームも。1日約15~20本の記事を配信(うち、オリジナル記事5~7本、朝日新聞社など提携メディアからの転載記事が約7本、アフィリエイトが約2本)。
  • 月間訪問者数(ユニークユーザー):2400万(2020年4月時点)
  • ネットニュースメディア『ハフポスト日本版』は、2013年5月に誕生。情報をただ伝えるだけではなく、「会話を生み出すメディア」として、価値観や物の見方を提示するようなニュースを毎日届けている。

    読者調査によると、主な層は30~40代のビジネスパーソンで、男女比率は半々。「価値観をアップデートしたい」「時代に取り残されたくない」と考える人に幅広く支持されている。

    ネット上での議論や、家庭や会社の中での日常会話のきっかけとなるような記事を届けてきた同メディア。2021年6月に新編集長に就任した泉谷由梨子氏は、「社会問題にも踏み込んで、(記事を通じて)法律や制度も変えていきたいと思います。そうすることで、社会の重要なプレーヤーになっていければ」と意気込みを語る。

    新編集長の“産休宣言”が話題

    泉谷氏は、新編集長就任と同時に、同年秋から産休に入る予定であることも発表。SNSなどで話題になった。

    かねてからジェンダー平等のテーマを精力的に取材してきた同氏。日本の企業はいまだに「女性は妊娠するから管理職になれない」という意識が根強い現状があることや、改善する必要性があることを記事で指摘してきた。一方で、新聞社をはじめとするマスメディア業界は、ジェンダー平等や働き方改革の重要性を世の中に訴えていながら、自社の組織は理想からはほど遠い状態の企業が大半であることも実感していた。

    「新聞社やテレビ局出身の記者は『言っていることとやっていることが違うよね』と、忸怩(じくじ)たる思いを抱えている人も多くいました。(産休の発表によって)『ハフポストはまず自分たちも実践するメディアだ』というメッセージを発信できたらと考えていたので、反響は非常にありがたかったです」と語る。

    弱みを見せ、信頼につなげる

    同メディアが柱に掲げるテーマは「SDGs」「多様性」「働き方」の3つ。記事化にあたっては、リリースも活用している。

    企業の取り組みについて取材した記事の中で、特に大きな反響があったのが洗剤メーカーのサラヤに取材した記事だ(「炎上した『ヤシノミ洗剤』の会社。批判を受け止め、大胆な改革を遂げるまで」2019年9月30日配信)。テレビ出演をきっかけに、環境に対する意識をめぐって批判にさらされたサラヤが、炎上から立ち上がり...

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