報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
日之出出版『FINEBOYS』DATA | |
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日之出出版が発行している男性ファッション誌の『FINEBOYS』。メインターゲットは大学1~2年生の20歳前後の男性だ。実際の購入者も7割ほどを大学生が占める。トレンドを踏まえた好感度の高いカジュアルスタイルを中心に、ファッションエントリー層に向けた実践しやすい着こなしテクニックなどを紹介している。
2020年6月号では同誌史上初となる重版、そして続く7月号でも2号連続重版した。その後も昨年比を上回るペースでの売上が1年以上続いており、今注目のファッション雑誌だ。
「使える本」と思われたい
「『FINEBOYSはおしゃれな本』というよりも『FINEBOYSは使える本』と思ってほしい」。そう語るのは編集長の伊藤雅信氏だ。洗練されたスタイリングのモデルカットで誌面展開するのではなく、ターゲットが今必要なことをわかりやすく伝えることを最重要視している。
「わかりやすく伝える」ためのポイントが、“情報の加工力”だ。「情報の鮮度ではSNSやデジタルメディアには勝てません。ウェブメディア『FINEBOYS Online』とのすみ分けも意識しながら、切り口や調理方法をどうするかに注力しています」と伊藤氏。
その例が、2020年8月号の古着特集だ。昨年冬から続く古着の流行もあり、巻頭特集で古着を大きく取り上げた。
「それまでの古着特集では(リアル店舗を中心に)店舗紹介だけで終わりがちでしたが、どう“今っぽさ”を加えるかを考えました。この世代の男子も意外とビンテージに興味があることが分かったので、今まであまりやってこなかったビンテージの企画を実施しました。その後ニーズとして古着のEC購入率が上がっていることも判明したので、2021年4月号では古着のオンラインショップに絞った切り口も実施。どちらの号も反響がありました」。
メディアキャラバンも歓迎!
雑誌編集部としては珍しく、定例の編集会議を行っていないという『FINEBOYS』編集部。日頃の雑談やチャットでのコミュニケーションでアイデアを出しながら、その都度企画に反映している。
伊藤氏は...