インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は佐川急便の社内報制作の裏側に迫ります。
佐川急便『HIKYAKU』
佐川急便の社内報『HIKYAKU』の刊行目的は会社の方向性の共有と従業員のスキルアップ。ターゲットは全国の営業所で働く従業員だ。「多忙な業務時間内に短時間で読めるよう文字を少なくしてマンガやイラストを多く採用します」と社内報を制作する佐川急便 東京本社 経営企画部広報課の山田侑輝氏は話す。
2020年8月号特集「新人ドライバーは全員で守る!」ではマンガを用いて、新人への配慮の行き届く営業所と、フォローに乏しい営業所を対立して描いた。前者では先輩の気遣いのおかげで新人は客から褒められ、後者の新人はイライラがつのり衝突事故を起こしてしまう。「明暗を際立たせて描けるのは、マンガならではのメリットです」と山田氏は話す。
同年10月号特集「ストップ!貨物事故」では冒頭で、荷物箱に穴が開き、父親への誕生日プレゼントに傷をつけてしまい、「こんなことなら佐川急便なんか使うんじゃなかった」と顧客から怒られたドライバーの声を紹介。続けて貨物事故撲滅の基本となる正しい荷扱いをクイズ形式で学ぶ仕組み。「単なる読み物記事だと一方通行になりがちですが、クイズにすることで伝えたい重要な内容を読者に考えてもらえます」と言う。
最近の特集で高い反響があったのは、7月号の「インフラを担うということ」。コロナ禍で、ある女子大生から同社に届いたエッセンシャルワーカーへの感謝を伝える小冊誌を元に生まれた企画。この時期に取り扱った物流を支える事例を紹介した。例えば、薬局で患者を危険にさらさないために始まった自宅への処方薬配送では、梱包や配送で...