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企業価値を左右する「経営と広報」の一体化

NTTドコモ新社長就任から3週間で公開 「グループ一体化」宣言した動画

NTTドコモ

ドコモグループ15社、総勢80人が参加した動画「ドコモ♪ボレロ」が7月に公開された。6月に就任した吉澤和弘社長も指揮者として出演しており、グループ広報強化の狙いとは。

吉澤新社長の就任会見
「パートナー企業・団体からのアイデアを受け入れるオープンな会社」「社員一人ひとりが生き生きと働く楽しい会社」「顧客満足を向上させ持続的に発展する健全な会社」を目指すという方針を語った。

グループのPR動画「ドコモ♪ボレロ」公開 
ドコモグループ15社の社員80人が各社の事業・サービスに関連するアイテムを楽器として、名曲「ボレロ」の演奏に挑戦。指揮者役の吉澤社長を中心に、グループ各社と連携を進める事業姿勢を表現した。

食材宅配の「らでぃっしゅぼーや」はニンジン、アスパラガス。料理教室を運営する「ABC Cooking Studio」の包丁とまな板。オークローンマーケティングの腹筋マシーン「ワンダーコア」。サイクルシェアリング事業を運営する「ドコモ・バイクシェア」は自転車のベル─。

これらはいずれも、NTTドコモグループに属する企業の商品・サービスであり、ウェブ動画「ドコモ♪ボレロ」においてオーケストラを構成する「楽器」として登場している。7月にウェブ上で公開された約2分半の動画では、各社の事業を象徴するアイテムを用いてクラシックの名曲「ボレロ」が演奏された。

楽団の一員として出演するのは、グループ15社から集まった80人の社員だ。アニメやショッピング、教育、健康支援など事業領域が異なるグループ各社で出演者を選抜し、4月から2カ月以上かけて練習を重ね撮影した。6月にNTTドコモのトップに就任したばかりの吉澤和弘社長も指揮者を務めている。

動画制作の主管部門であり、NTTドコモの広告宣伝などを担うプロモーション部の青谷宣孝部長によると「グループの体制を大々的に発信する企画は初の試み」だ。動画は公開後、約40のIT系ニュースサイトなどで取り上げられ、再生回数は約4万2000回に(8月末現在)。Twitter上では公開1週間で500件を超えるツイート数を記録している。多くは好意的な反応で、「すがすがしいほどに技術の無駄遣いなんだけど感動するのが悔しいw」「それぞれ個性を活かし自由に一丸となって全力で楽しんで真面目にアホする感じが好き」といった感想が寄せられた。中には「タワーレコードってドコモグループだったのかー」といったつぶやきもあり、グループ体制の認知にもつながったと評価している。

「+d」でビジネスの拡大狙う

制作の背景には、NTTドコモの中期目標として掲げられている「+d」「オープンイノベーション」という事業方針がある。「+d」とはパートナー企業や団体との協業を強化しながら生み出すサービスブランドを指し、2015年4月に発表した「中期目標に向けた新たな取り組み」の中で掲げられている。もちろん6 月16日に開催された吉澤社長の就任会見でも言及された。

「各社が単独で従来の事業を展開するだけではなく、グループ間の連携による『協創』が今後の重要なテーマとなる。これから『+d』を実行していく中で社外はもちろん、社内でもまだ理解されていないグループの体制をアピールしていく必要がありました」と青谷部長は説明する。

15ものグループ会社の存在を対外的に発信するメリットは大きい。将来的な取引が見込める企業との接点を増やし、グループ各社から新たなビジネスの創出につなげたいという思いもある。「『ドコモのグループ会社』として認識してもらうことで、その先にある取引先の企業にもスマートフォンなど通信・ITを活用した事業展開をイメージしやすくなる効果も期待しています。ドコモ本体としても多岐にわたるサービスを提供していくため、将来的に『協創』を実現するパートナーの間口が広がっていけば」と青谷部長。

そこでターゲットとなるビジネスパーソンに対するリーチを高めようと …

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