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PR施設のメディアパワー

「1億円持ってみませんか」お金の総本山でレア体験の博物館

日本銀行金融研究所「貨幣博物館」

オープンやリニューアルが相次ぐ企業ミュージアムやショウルーム。そのメディアパワーを検証します。

広々としたエントランスは修学旅行生など団体客にも対応。2月末まで期間限定で、豊臣秀吉が造らせた 最初の大判「天正大判」を公開。リニューアルの目玉とした。

    日本銀行金融研究所「貨幣博物館」

    開館から30年経った2015年11月、シニア層や修学旅行生など来館者の多様化に伴いリニューアルオープン。和同開珎から日本銀行券まで、実物と各種資料を見ながらお金の歴史を学べる。飛鳥時代から現代に至る様々な時代のお金とそれで買える品をモチーフにしたゲームや体験型展示、パネル前で記念撮影できるスポットなどエンターテインメント性にも配慮する。

「1億円持ってみませんか」お金の総本山でレア体験

昨今のPR施設は「体験型」を標榜するものが多いが、ここでは本当の意味での「体験」ができる。館内には江戸時代の千両箱のレプリカ展示があり、「どれぐらいの重さか試してみてください」との表記。持ち上げてみると「重い!!」。何と20キロ超あった。入り口近くには「1億円を持ってみませんか」とのキャッチと、紙で包まれた札束模型が。これまた持ち上げてみると意外な重さで、10キロはあるという。

この博物館のユニークさは、アナログで感じ取れる「体感」を重視している点。昔あったコリントゲームに似た遊戯盤があり、玉は、奈良時代の和同開珎1個1文になぞらえられる。ボードの穴部分が当時の物の値段になっていて、例えば、「たけのこ」なら穴2個で2文、「みそ」なら穴5個で5文といった具合。ゲームを楽しみながら当時の値段感覚をつかむことができる。

身近な経済生活や歴史にまつわる周辺展示も豊富で、あっという間に全展示を見学してしまう。例えば貯金箱。1970年大阪万博の「太陽の塔」を模したもの、1964年東京オリンピックの五輪マーク入りの箱もある。そして「和同開珎」や「永楽通宝」柄など数種類の来館スタンプも魅力的。昭和の時代に観光地でよく見かけたが何となく懐かしくなり、取材メモ帳に幾種類も押してしまった。

リニューアルオープンの数日前には報道関係者向けに内覧会を開催した。「普段は主に金融政策を扱い、一般向けPRの経験がほとんどないので、何がメディアから求められるか、記者に聞いたりアンケートを取ったり研究しました」と日本銀行広報課の山田桂志氏は語る。オープン式典時には、黒田東彦総裁の背景に目玉となる「天正大判」を配置するシーンも用意。結果、朝刊紙やNHK『首都圏ネットワーク』、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』などで放映された。さらに各通信社サイトによる動画ニュースで取り上げられた効果も大きかったそうだ。「メディアが何を求めるか」を謙虚に聞き出す努力が成功につながるという見本だろう。

時代ごとのお金の移り変わりも分かりやすく展示。

歴代の紙幣や貨幣、お金にまつわるゲームなども。

矢吹博志(やぶき・ひろし)

PR会社出身。マジックをPRに生かすオフィスパーソナル代表。『夕刊フジ』で、「魅惑のショウルーム探訪」連載中。

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