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PR施設のメディアパワー

BtoB企業のPR施設活用法 ボッシュ日本法人が本社にカフェ 

ボッシュ「cafe 1886 at Bosch」

オープンやリニューアルが相次ぐ企業ミュージアムやショウルーム。そのメディアパワーを検証します。

    ボッシュ「café 1886 at Bosch」

    9月10日、東京都渋谷区にオープン。ドイツに本拠を持つ自動車部品・電動工具のメーカー、ボッシュ日本法人の本社1階に開設した。ドイツでの創業年(1886年)を冠したカフェはTRANSIT GENERAL OFFICE、内装デザインは窪田建築都市研究所が手がけるなど、各業界で活躍中のクリエイターとコラボした。隣接のショールームでは消費財などの製品展示でブランド訴求も行う。

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カフェ空間を活かし、9月26日にはボッシュ製電動工具を使ってコーヒースタンドを手作りするワークショップを開催した。

3部構成でオープン前日に内覧会

渋谷警察署の裏手は、駅東口から至近だがエアポケットのような静かさ。その一角にボッシュ日本法人のビルがある。同本社は9月、1階をショールーム併設型のカフェに改装した。カフェ以外の残りのスペースにボッシュ製品を展示している。

オープン前日の内覧会は、午前・午後の2部制で雑誌からテレビ番組まで130社、夕方からの3部はブロガーを対象に開き、200人以上集まった。『めざましテレビ』(フジテレビ)、『グッド!モーニング』(テレビ朝日)などで紹介されたほか、直後数日間でウェブにも波及。「VOGUE」「ファッションプレス」の記事も拡散した。「ネットメディアに特化した3部を設けたのも成功の理由。その後来店したお客さまもSNSで写真をアップされ、露出効果は計り知れない。社内のモチベーションアップにもなっています」と同社コーポレート・コミュニケーション部の舟田直美氏は語る。

カフェはゆったりとした空間で、設置電源数も多く一人用照明付きの席もある。渋谷駅からわずか5分でこんなにも落ち着けるスペースは貴重。グルメサンドウィッチやオリジナルブレンドコーヒーなどメニューも充実している。ドイツのアーカイブから借りた自動車用照明など創業期の商品もインテリアとして配置され、知らずに来店した客はそれらを見て初めて「ボッシュと関係あるのかな」と気づく趣き。

「まず飲食施設として徹底的に楽しんでいただけるよう注力しました。多少でも隣のショールームも覗く方がいらっしゃれば充分。あとはネット検索などで広がります」と同部ゼネラル・マネージャーの下山田淳氏は話す。ショールームではキッチンツールなどの消費財も交え少数をセレクトし、まるでギャラリーのよう。自動車部品ばかりだったら、多くの消費者は近づきもしてくれないはず。一般になじみの薄いBtoB製品を扱う企業が親しみをもってもらう策として最適解だろう。

日本でまだ低いブランド認知を高める方策を種々検討した結果、本社の抜群なロケーションを活用したカフェ設立に至ったという。改装前の写真を見ると、どこにでもあるオフィスの受付風景でしかない。ここをカフェにしようとよく思いついたもの。自社リソースの何が消費者に刺さるか考え抜いた結果のブレイクスルーだろう。

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9月9日には現地で記者向け内覧会も。


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隣接のショールームには自社製品が並ぶ。

矢吹博志(やぶき・ひろし)

PR会社出身。マジックをPRに生かすオフィスパーソナル代表。『夕刊フジ』で、「魅惑のショウルーム探訪」連載中。

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