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PR施設のメディアパワー

リコーが神奈川県海老名市に商業施設をオープン、なぜ「まちづくり」に参画したのか?

リコー「RICOH Future House」

オープンやリニューアルが相次ぐ企業ミュージアムやショウルーム。そのメディアパワーを検証します。

(取材・文/矢吹博志)

    「RICOH Future House」

    8月21日、神奈川県海老名市にオープン。海老名駅西口のまちづくりにリコーが参画する新規事業施設で、コンセプトは「人が集い、学び、成長する。そして未来を創造していく場」。1階はプリントショップとカフェ、2階がイベント&レンタルスペースのほか360度の映像が楽しめるドームシアターも完備。3階は子どもの学習エリア、4階には若者のコワーキングスペースを備える。

フォトブック印刷まで請け負う、リコーのリソースを活用したプリントショップ(1階)

地域の再開発計画とも連動

今秋、「ららぽーと海老名」の開業を控え、地域再開発真っ最中の海老名駅西口周辺。ここに8月末オープンしたのが、リコーの「RICOH Future House」。地域に根ざす商業施設だ。

1階はプリントショップとカフェ、2階は様々なワークショップなどが開催される「リビング」、3階は子どもたちのための学びの場「コサイエ」、4階は今までにない郊外型コワーキングスペース。「家」の形をした4階建て、全面ガラス張りで開放感を感じさせる。

海老名には従来から同社開発拠点のテクノロジーセンターがあるが、今まで経験のない地域再開発計画とも連動するまちづくりに参画した経緯について、RICOH Future Houseの下郷雅子氏は「約5000人の社員も勤務し、取引先も含めると膨大な出入りがあり参画する意義もあります。防犯カメラなどグループ全体で扱う商品の設置・保守も含め商機は大きいと判断しました」と語る。地元まちづくり協議会にも加わり、まちづくりのガイドライン作成から会社ぐるみで参加したという。

1階のプリントショップは同社の印刷・加工ノウハウを活かし、地域商店チラシやメニュー、家庭でのフォトブック製作を請け負う。コサイエでは自社製品を通じ科学技術やモノづくりを学ぶプログラムも。講座もコワーキングスペースも基本有料で、リコーが事業として取り組む覚悟を感じる。

東京の中心部から多少離れており、開業PRには工夫が必要だった。昨年から「海老名駅西口まちづくりに貢献」「小中学生向け体験学習サービスを開始」「8月21日オープン」など、こまめにプレスリリースの発信を行った。

8月のオープン記者説明会では、あまり接点のなかった教育や不動産関連のメディアにも案内を出し、地元の記者クラブにも足を運んだ。結果、39社40数人が出席。テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』での当日オンエアや翌日の新聞掲載にもつながった。「地域密着という独自性にニュース価値があったのだと思います」と広報室の宮原祐子氏は語る。

商業施設の内覧会は、経験がない分野だけに苦労もあった。「テープカット時に、周囲にご迷惑をおかけしないよう留意し、警察などとの折衝もしました」と二人は振り返る。海老名周辺は大規模マンションなどの完成も控え、新たな商機が開かれそうだ。

学習スペース「コサイエ」は科学を軸に、探求・創造・協働の力を育む場(3階)。

テラスでバーベキューも楽しめるカフェ(1階)。

矢吹博志(やぶき・ひろし)

PR会社出身。マジックをPRに生かすオフィスパーソナル代表。『夕刊フジ』で、「魅惑のショウルーム探訪」連載中。

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