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IRの学校

IR担当・広子と学ぶ!『株価下落時のIR担当』

まぐまぐ 大森慎一

広子は、堅調な会社業績にも支えられ、順調に成長している。しかし、このところの株式市場の低迷、株価の乱高下の影響をまともに受けているようで、セミナー室には、浮かない顔でやってきた。

株価下落時はIRの出番

広子▶ こんにちは。お元気ですか?

大森▶ うん? セリフは前回と同じだけど、顔色は真逆だね?

広子▶ 株式市場が荒れているせいで当社の株価もかつてないほどの急落で、株主の皆さんからのお問い合わせなどの対応に明け暮れています。

    株式市場が荒れる原因

  • 株式市場が荒れる原因一般に国内外の景気、金利、為替、原油価格などの経済的要因、政局や地政学的なリスクなどの経済以外の要因などが挙げられる。これら各要素について、市場において予測されている平均値と大きく異なる情報が流れた時などに、需給バランスが一方的に変化することによる。

大森▶ まあ、これだけ株式市場が乱高下すると、株価の変動要因を個別の企業に確認してもしょうがないんだけどね。

広子▶ ですよね。ですけど「株式市場に聞いてくれ」とも言えないし。本数が増加したのもそうですが、一件一件がとにかく長いんですよ。ランチも取れないような忙しさなんです。

大森▶ そうか。広子さん、ランチ楽しみにしているものね。

広子▶ からかわないでくださいよ。会社から説明する材料が少なくて、下手すると愚痴を聞いているだけになってしまうこっちの身にもなってください。

大森▶ わっはは、ごめん、ごめん。でも広子さん、いいこと言ったね。「相手の身になる」と落ち着いて対話ができるようになるよね。まあ、株主にとっては、自分の財産が目減りしていることには違いないからねえ。今日の相談は「株主からの問い合わせを短く切り上げる方法について」かな?

広子▶ いえ、本題に入ります。私の奮闘を見かねた室長が「株価下落も危機発生の事象のひとつとして対応策をまとめれば、お客様相談室や総務課のメンバーでも一次対応ぐらいはできるだろう」という話をしてくださいまして。

大森▶ いいねえ。会社の問題として受け止めようということだ。

広子▶ へへへ、それで、対応策の骨子を作成したので、持ってきました。

大森▶ どれどれ。

広子▶ 株式市場全般の下落が要因のケースでは、起こっている事象の把握といった情報収集段階もなく、特に信頼も損ねているわけではないから、信頼回復が主ってわけでもなく、どうしましょう、って感じなんです。「情報発信」といっても、株式相場の状況や見通しについては専門外ですし。

大森▶ そうだなあ。まず、いきなり「株式市場の低迷の影響を受けた株価下落」が対応の起点になっているけど、「株価の大きな変動」というインシデントを起点として ...

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