業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
専門紙ならではの解説記事に反響
キヤノンが2月、監視カメラの世界シェアで首位のアクシスコミュニケーションズAB(スウェーデン)を買収したニュースは一般紙でも大きく報道された。同紙では解説記事をつけ、良い面ばかりでなく買収による課題も提示し、業界関連企業の共感を集めた。
保安・防犯から防災まで網羅
今年で創刊25年を迎えた『セキュリティ産業新聞』。セキュリティに関連する企業や機器メーカー、警察・消防の管理者、情報サービス業界のシステムインテグレーターなどの幅広い読者層に、錠前や暗号化技術、サイバーテロなどアナログからデジタルまでセキュリティの最新情報を伝える。
「ひと口にセキュリティといっても、監視カメラなどの物理的セキュリティと、情報セキュリティに大きく分けられます。当紙ではさらに防災まで網羅しているのが特徴です」と編集長の野口勇人氏は説明する。
1枚のICカードで入退室管理からPCのネットワーク管理まで可能になるなど、デジタル技術の発展により、この数年で社会のトータルセキュリティ化が加速。さらに、セキュリティ分野にこれまで関連がなかった企業や家電メーカーにも裾野が広がり、今後、世界的にも市場は拡大していくと野口氏は見る。
「中でも日本は来年の伊勢志摩サミットに始まり、ラグビーW杯、東京五輪など、テロ対策も含めて極めて大きなマーケットが動きます。そうした動向を注視していきたいと考えています」。
業界の第一人者が執筆するコラムが人気
コラム「地水火風」は消防庁の初代国民保護部長が執筆。「『こんな人が書いてるの?』と驚かれるほど、その道の専門家の協力をいただいており、固定ファンもついているようです」(野口編集長)。
リリースで協業のチャンスも
紙面構成は、旬のトピックスや新製品の情報が6割。野口氏によると、2014年からフードディフェンス関連の情報に注目度が高く …