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ご当地キャラ博士が解説!ヒットのツボ

「やなな」復活の奇跡を追う

野澤智行(アサツー ディ・ケイ)

プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。

2015年8月21日、岐阜市文化センター催し広場特設ステージでの「やななと不思議な世界~少女と柳ケ瀬商店街非公式キャラやななの物語~」第1回公演。

伝説になった「やなな」

2015年3月号の当連載で、岐阜県岐阜市柳ケ瀬商店街の非公式キャラクター「やなな」の5年弱におよぶ草の根型の街おこし活動と、その後の柳ケ瀬について紹介した。「やなな」は、柳ケ瀬商店街のアーケードを模した段ボール製の頭を被っただけのチープな外見と、予想の斜め上を行く行動の面白さ・多才さ、ファンへの律義さ、周囲を固める美少女ビジュアルスタッフなど、幾重にも用意されたギャップの妙で、後ろ盾のない非公式キャラながら「ゆるキャラ®グランプリ」で毎年ベスト10入りの快進撃を続け、人気絶頂のうちに表舞台を去っていった。

「やなな」が活動開始した2008年は、鹿の角が生えた童子のデザインで「せんとくん」が物議を醸し、「ひこにゃん」の地元で「ゆるキャラ®まつりin彦根」(現「ご当地キャラ博in彦根」)が初開催されるなど、ブームが本格化したときであった。また、引退した2013年は、「ふなっしー」がCMや番組のテレビ出演で一躍脚光を浴びて瞬く間に「ご当地キャラ総選挙」で優勝、全国区人気で「くまモン」に肩を並べるなど、ご当地キャラブームがピークを迎える直前であった。人気キャラが群雄割拠する戦国時代を駆け抜けた「やなな」は、非公式でもここまでできることを示した稀有な存在であった …

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