プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。
7月3日、「台湾桃園國際動漫大展(桃園国際アニメフェア)」の「COOL JAPAN IDOL&吉祥物萌遊行」ステージで「きゃらきゃら天国」を踊ったキャラたち。(左から)「メロン熊」「しんじょう君」「大崎一番太郎」「お猿のくぅ」「戸越銀次郎」「カッパのコタロウ」「ぱいーぐる」。
日本文化が全盛の台湾へ
台湾最大の桃園国際空港がある桃園市は、人口約207万人、2014年12月に中華民国行政院の直轄市に昇格した都市である。
2012年以降、毎年7月に桃園展演中心(桃園アートセンター)で開催されているのが「台湾桃園國際動漫大展(桃園国際アニメフェア)」だ。アニメ・マンガ・ゲームを中心としたフェスティバルで、例年5万人以上が来場と、総人口約2350万人の台湾では大規模イベントと言えるだろう。
私は7月3日から5日までの3日間、桃園市政府の要請で、クール・ジャパンの象徴として日本各地のご当地キャラクターたちと一緒に参加してきた。台湾の方々に日本に遊びに来てもらえるよう、それぞれの地元をPRするのが訪問目的だ。
今回のメンバーは次の7体。「メロン熊」(北海道夕張市)、「カッパのコタロウ」(東京都墨田区)、「大崎一番太郎」(東京都品川区大崎駅西口商店会)、「戸越銀次郎」(戸越銀座商店街振興組合)、「お猿のくぅ」(岐阜県高山市)、「しんじょう君」(高知県須崎市)、「ぱいーぐる」(沖縄県石垣市新石垣空港)だ。北海道から沖縄までのご当地キャラたちが台湾の桃園に集結した様は壮観であった。
現地に行って驚いたのが、哈日族(ハーリーズー)と呼ばれる日本のマンガやアニメ番組、アニメソングなどを愛する若者たちの熱意とコスプレのレベルの高さや日本語の堪能さである。歴史的経緯から親日国であることに加え、海賊版が横行した時代から台湾民主化により日本のマンガ・アニメが解禁された以降の数十年にわたる文化の蓄積が、日本への強い親和性、共感性を生んでいることを実感した*1。
*1 滞在中のホテルでは『ちびまる子ちゃん』『アルプスの少女ハイジ』などが朝や夕方に再放送され、台北駅地下街など町中でも日本のアニメフィギュアやアニメの看板が多数掲出されていた。
さらに、コスプレ、メイドカフェ、地下アイドルなどのアキバ文化も、今回同じく日本から参加した秋葉原ツアーガイド「秋葉るき」さんのような伝道者たちのここ数年の活動によって、しっかり定着しつつあるようだ。
台湾でのご当地キャラの可能性
7月4日、「日台偶像SHOWROOM LIVE熱力表演」にコラボ出演したご当地キャラたちの様子。
今回参加キャラの編成に1カ月も時間がなかったこともあり …