プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。
2014年11月2日の「ゆるキャラ®グランプリ」での戦うサラリーマンキャラ「カモ虎課長」と部下の「係長」によるステージの様子。
注目されるアテンドという存在
当連載をお読みになられている方であれば、ご当地キャラが登場するイベントやテレビ番組で、地域名やキャラ名が書かれた法被(はっぴ)を着たスタッフがキャラのそばに寄り添っている様子を見たことがあるだろう。
一般的に付添人や介添人を意味する「アテンド」と呼ばれるスタッフは、単体では視野や歩行に難があり、話せないご当地キャラに付き添って、様子を気遣いながら、挨拶やキャラ紹介、名刺やチラシの配布、階段昇降の補助やファンとの撮影係などを担当する。キャラにとっては、ときには命綱となる仲間で、ファンとのコミュニケーションを仲介してくれる唯一無二の存在なのだ。日本中にご当地キャラは少なくとも5000体は存在するため、レギュラーからスポットまでその数倍はアテンドがいると思われる。
ご当地キャラがテレビの情報ワイドやバラエティ番組に出ることが珍しくなくなった昨今、アテンドにも外見や面白さ、当意即妙なリアクションやコメントなど様々なスキルが求められるようになってきている。だが、これまで地方自治体や観光協会の職員やボランティアスタッフがその役割を担ってきた経緯もあってか、個人差はキャラ以上に著しいのが現状だ …