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本田哲也のGlobal Topics

「これが、世界を動かすPR会社だ!!」2014年版のグローバルPR会社ランキングが発表

本田哲也

グローバルPR会社ランキング
by 「GLOBAL AGENCY BUSINESS REPORT 2015」(単位:ドル)

出典:『PRWeeK』Global Agency Rankings 2015

グローバルPR会社の最新世界ランキングが発表された。今回のコラムでは、このニュースをレポートしよう。最新の2014年版を発表したのは、世界有数の業界メディアである「PRWeeK」。発行元のHaymarket Media社は、イギリス、アメリカ、香港を主要拠点に、世界的に展開しており、グローバルPR業界の権威とも言えるメディアだ。

さっそく、ランキングを見てみよう。世界1位は独立系のエデルマン(米国)で、2014年のレベニュー(売上高総利益)は約970億円。続く2位が、オリンピック招致の実績で有名なウェーバー・シャンドウィック(米国・インターパブリックグループ)で約820億円。3位に僕たちブルーカレントも属しているフライシュマン・ヒラード(米国・オムニコムグループ)で約720億円。これが、世界ベスト3のPR会社だ。この3社は4位以下に差をつける不動のトップ3と言えるだろう。従業員数で3000人から5000人規模。成長率でも、4位以下がほとんど「横ばい」なのに対して、この3社は2013年からグループ全体で10%前後の成長を遂げている。PR先進国の欧米では、いわゆる広報代理やPRコンサルティングは飽和状態。そこで10%成長を遂げるには、従来型サービスからの脱却が求められる。

4位以下にも大きな変化はない。外資系PR会社として日本でも著名なバーソン・マーステラやヒル アンドノウルトン、オグルヴィPRなどが続き、そのほとんどが米国勢。規模としては2000人から3000人だ。ところで、ここで日本人が気をつけなければいけないポイントがある。それは、開示される売上の世界標準は「ネットレベニュー(売上高総利益)」であるという点。ネットレベニューのほとんどは、報酬としてクライアントから支払われる「フィー」の総計であり、業務遂行に付随するイベントやキャスティング、メディアバイイングなどの「実費」は含まれない。日本で売上といえば「年商=扱い高」であるのとは対照的だ(ちなみに、2015年5月発表の電通グループの連結での売上高総利益はおよそ6770億円だ)。エージェンシーにとっての価値は「扱い高」ではなく「フィー」でしかない、という発想なのだ。

最後に、ランキングの10位に注目したい。米系に独占され続けてきたトップ10に、初めてアジアからブルーフォーカス(中国・約260億円)がランクインした。2013年から1年で76%(!)という驚異的な成長を果たしている同社。5年後のランキングがどう変わるか……ではまた来月!

本田哲也 (ほんだ・てつや)

ブルーカレント・ジャパン代表取締役社長/米フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー/戦略PRプランナー。主な著書に『最新 戦略PR 入門編/実践編』(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)、共著に『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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