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実践!プレスリリース道場

ターゲットを明確に設定 クックパッドのリリース裏側を公開

井上岳久(井上戦略PRコンサルティング事務所・代表)

新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを紹介する「リリース道場」。今回は、クックパッドによる、出版社とのコラボが話題になったリリースを紹介します。

生活雑誌と異例のタッグ

私はカレーの専門家であり、仕事柄、料理をつくることが多いのですが、時折「クックパッド」を参考にすることがあります。ユーザーからの投稿主体のレシピサイトで、月間利用者数が2013年7月時点の2600万人から、2014年10月には5000万人以上に増加した急成長しているサイトで、知名度もかなり高まっています。このクックパッドが2014年9月から、主要出版社と提携して、『オレンジページ』や『レタスクラブ』などの生活雑誌に載ったレシピ約1万品を月額360円(税別)で定額見放題というサービスを始めました。「ネットと出版が手を組んだ」と、双方の業界で話題になったこのサービスのリリースを今回は取り上げます。

そもそも同社は1997年創業で、当初はネットにレシピを掲載する側に課金していたこともあったそうです。にわかには信じがたいような話ですが、当時は今ほど簡単にインターネット上で自身の作品を発表する環境が整っておらず、見た人から反響があることが嬉しくて、対価を払うような時代だったのです。わずか20年弱で、インターネットを巡る環境もずいぶん変わったものだと実感します。

2002年に広告事業を開始、2004年に有料課金サービスが始まり、ビジネスとして軌道に乗ります。以後は2009年にマザーズに新規上場、2011年に東証一部上場も果たし、順調に成長を続けています。そうした中、今回はこれまでのユーザー投稿から発展して、出版物に載った「プロのレシピ」の提供に乗り出したわけです。実はこの前段として、料理の単行本などからレシピを掲載し、20品500円で販売するサービスを試行したのですが、ユーザーとしては料理雑誌などよりも割高に感じるため、定額見放題に改良して再設計したのがこのサービスだったのです。

それにしても …

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