事業の成長に応じて、ベンチャーにも専任の広報担当が必要なフェイズがやってくるもの。2社を例に、その業務や経営者との連携、そして社内広報など現場の取り組みに迫ります。
「使ってみた」系のブログ掲載も
従来の家計簿アプリと異なり、最初に講座情報を登録するだけで自動的に自己資産の移り変わりが分かるという高い利便性から、ウェブニュースやブログでのユーザーレポート記事も頻出した。
家計簿アプリや会計ソフトを提供しているマネーフォワード(東京・港)。特に家計簿アプリは、銀行やクレジットカードのログイン情報を預けると自動で自身の資産総額が分かるという利便性が受け、現在180万人が利用している。一方で、個人の口座情報という機密性の高い情報を扱う同社にとって、どう利用者の信頼性を担保するかが一番の課題だ。広報担当として、いかに信頼性と知名度を高めたのか。同社初の専任広報の菅原民江さんに聞いた。
調査リリースで知名度アップ
菅原さんが入社したのは、2013年11月。当初は辻庸介社長のアシスタントという形で入社したものの、同時期にBtoB向けのクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」の提供開始を機にPRを強化したいという社長の特命を受け、初の広報担当に任命された。
元々は金融系システム開発企業でエンジニアをしていた菅原さん。初めて挑んだ広報は、まさに地道な努力の連続だった。
「当初は何から始めたらいいか分からなかったですね。女性誌に取り上げてほしくて、ひたすら出版社に電話をかけたりしていました。当時は家計簿アプリの利用者数が今の数分の一と知名度も低く、相手にしてもらえないことも多かったです」。
そこで …