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リスク広報最前線

役員が自ら起こした問題で辞任へ ガバナンスが機能していることを示すには?

浅見隆行

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

    オリンパス社長辞任

    2024年10月28日

    オリンパスのシュテファン・カウフマン社長が10月28日に辞任した。違法薬物を購入していたとの通報を受け、同社は捜査機関に報告。内部調査を実施し、行動規範に相容れない行為をしていた可能性が高いとして、取締役会が辞任するよう求めた。

2024年10月28日、オリンパスのシュテファン・カウフマン取締役代表執行役社長兼CEO(最高経営責任者)が辞任しました。違法薬物を購入していたと同社に通報があったことがきっかけです。なお、カウフマン氏は、11月27日に麻薬特例法違反で起訴されています。今回は、このケースを題材に、企業の役員が起こした問題について責任を問う場面での危機管理広報について解説します。

企業価値を下げないために言及すべきこと

オリンパスは、10月28日、「代表執行役の異動」として、カウフマン氏が辞任したことを開示しました。開示では、「異動の理由」として、①辞任を求めるまでの経緯と、②なぜ取締役会が辞任を求めると判断したか、の2点を説明しています。

まず、①辞任を求めるまでの経緯...

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