広報活動の中で常に隣り合わせとなる法律が「知的財産」にまつわるもの。はっと気付いた時、「時すでに遅し」とならないよう、日頃からしっかりとポイントを押さえておく必要がある。今回はパロディ商標について考える。
石屋製菓の「白い恋人」のパッケージ
広報活動の中で常に隣り合わせとなる法律が「知的財産」にまつわるもの。はっと気付いた時、「時すでに遅し」とならないよう、日頃からしっかりとポイントを押さえておく必要がある。今回はパロディ商標について考える。
1. はじめに
「商標」とは、「商品や役務(サービス)の顔・物いわぬセールスマン」などといわれることがありますが、一言で表現すれば、商品やサービスに付された名称やマークのことを指します。商標のなかでも、品質や性能に大きな信頼が備わっているもの、または高級なイメージが備わっているものなどを「ブランド」と呼んでいますが、顧客は、商標・ブランドを見て、自分が購入する商品やサービスを決めることになります。
しかし、この財産的価値は、最初から備わっていたわけではありません。長い間の地道な営業努力や広報活動によって、初めて獲得できるものです。ところが、有名になりますと、それに便乗するような動きも出てきます。ときには、「笑い」「ユーモア」の効いた迷商標(?)に、思わずうならされることもありますが、腹立たしく思うことも少なくありません。年間に約10万件の商標登録が行われていますが、現実にどんな争いが起きているのか概観することにしましょう。
2. 実際に起きた事例
世間の耳目を集めた最近の事件といえば、「白い恋人」と「面白い恋人」の商標をめぐる事件ではないかと思います。