販促に欠かせないツール・手法ごとに毎号、活用アイデアが抜きんでた例を紹介。各領域の“目利き”である専門家が選んだ事例と分析を、次なる企画のヒントに。
OOH
ルイ・ヴィトン×草間彌生ほか
これまでの連載で、OOH広告にパブリックアートが活用されてきた例を何度か取り上げてきた。今回は期間限定のアートが、わざわざ観に行きたくなるような光景を作り出した事例を紹介したい。
お寺とタワーとかぼちゃ?
ルイ・ヴィトンは、現代美術家・草間彌生とのコラボレーションコレクションを2012年以来、10年ぶりに発表。それに伴い、昨年11月末から様々なインスタレーション作品を都内のパブリックスペースに展示した。
例えば、新宿では巨大な3Dの草間彌生が登場する限定映像を放映したり、渋谷ではスクランブル交差点周辺の屋外ビジョンをシンクロさせ、コミカルなサウンドとともに草間彌生が画面に次々と登場していく演出を行なったりと、それぞれのエリアや媒体特性を活かす形でユニークな作品が各地で体験できるように展示された。私がその中で特に印象的だったのは、芝公園で展示されたインスタレーションだ。
草間彌生のシンボルでもある黄色いかぼちゃが、東京タワーと増上寺を背景に空中に浮遊する光景は圧巻だ。今後相当のことがない限り忘れることのないこの光景。作品を取り囲むように写真撮影に勤しむ人々の様子も同時に観察された。特に芝公園のように普段はプロモーションスペースとして使用されない場所での展示では、作品を観るためだけに訪れた人も...
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