くまモンは東京のカゴメ本社に来訪し、同社の西 秀訓社長(写真中央)と会談。「CMに出演したい」と直談判した。
カゴメは、主力ブランド「野菜生活100」の季節限定商品のパッケージに、2011年、12年と2年連続でくまモンのイラストを掲載し、12年には全国版のテレビCMに起用した。知名度の高い大手企業が、ご当地キャラクターを販促に起用したのはなぜなのか。
ブレイク前から起用し「地産全消」の理念を伝える
ブレイク前から起用し「地産全消」の理念を伝えるカゴメは2011年から「野菜生活100 デコポンミックス」の商品パッケージに、くまモンのイラストを掲載している。同商品は「野菜生活100」の中でも10年から発売されている季節限定シリーズの一つで、「地産全消」をコンセプトに、沖縄のシークヮーサーや広島のレモンなど、全国各地の果物や野菜を使用している。「地産全消」とは、全国各地で生産された特産物をその土地を超えて日本全国で消費しようというカゴメ独自の取り組みだ。ほとんどの商品に野菜や果物を使用している同社にとって、地域の農業の発展は重要な課題でもあるため、10年から各地域の自治体や知事と密接に関係を築いている。中でも熊本県とは、トップを交えて会談を重ねてきた。くまモンの起用は、地域とのこうした取り組みの一環として行われた。
同社コーポレート・コミュニケーション本部の久森匡子氏は「くまモンを起用したのは、人気があったからではありません」と話す。事実、同社がくまモンの起用について発表したのは、11年11月17日。くまモンが「ゆるキャラグランプリ2011」で優勝する10日前のことだ。ブレイク前のくまモンを起用した理由は「商品コンセプトを伝える上で非常に親和性が高かったから。この商品を飲みながらパッケージを見て、熊本っていい場所だなと感じてもらったり、ふるさとに思いをはせたりしてほしいと考えた」という。