2024年のカンヌライオンズ、The One Show、D&AD、Clio Awardsの結果が出揃った。昨年の注目トピックであったAIがツールとして浸透しつつある今、クリエイターたちは海外アワードから何を見出したのか。各アワードで審査員を務めたり現地参加をしたりした日本のクリエイター18人に世界のクリエイティブを紐解く注目事例やキーワードを聞いた。
Coca-Cola「Thanks for Coke-Creating」(VML)アメリカ/ブラジル
● Cannes Lions:プリント&パブリッシング部門/インダストリークラフト部門/クリエイティブBtoB 部門ゴールドほか
概要:130年以上にわたりそのロゴのガイドラインを厳格に守ってきたコカ・コーラ。しかし小規模ビジネスでは、ロゴや缶や色味を模した、非公式なデザインが使われてきた。しかしあえてそのロゴを、配送トラックや自動販売機や缶パッケージで活用。ステークホルダーへのリスペクトを示した。
懐の広さが、ブランドの大きさだ。厳格なブランドたちが寛容さを示し始めた。代表例がコカ・コーラ。地域の小売店が勝手に使っていた手書きのロゴを認め、広告や商品パッケージにまで反映させている。これからのビッグブランドは懐の大きさを競い合うかもしれない。そのほか、「スマイルをあげなくて」いいと歌ったマクドナルド、二次元コードもCallto actionも無い広告で拍手を浴びた英国航空。行き過ぎたブランドやマーケティングの慣習を疑えるか?が試されている。(細田高広)
これはマジで最高。21世紀においてグローバルブランドとは企業が頑なに守るものではなく、生活者と共有するもの、ユーザーが自由に愛し、遊ぶものであると再定義した。コカ・コーラだからこそできる、ブランディングの歴史を変えた、歴史に残るプロジェクトだと思う。(三浦崇宏)
ロゴマークのレギュレーションには厳しいグローバル企業が、各エリアの小売店が手前勝手につくり出す手書きPOP などを規制するのではなく承認し、取り込み、共に拡張していくという共創スタンスに感心。ブランドを...