ユーモア
Humour and Humanity
今年のカンヌライオンズは昨年のAI祭りからの反動か、ヒューマニティ(人間性、人間味)という言葉が頻繁に語られた。関連して今年は全30部門中13部門で「ユーモアの活用(Use of Humour)」という新しいサブカテゴリーが新設され、全体で798件がエントリーするなど、全体的により人間的な感情に向き合うコミュニケーションを再確認しようという目線を強く感じた。とはいえ、一方のAIについても、全体エントリーの中でAIを活用したものは未だに12%だそう。今後は活用方法を拡張した、ユニークなエントリーに期待したい。(井口理)

井口 理
電通PRコンサルティング
執行役員/チーフPRプランナー

カンヌライオンズ公式サイトより。「ブランドコミュニケーションにおけるユーモアの芸術性を称えるため部門横断でサブカテゴリを設立した」と記載されている。
クリエイティブによってユーモアを取り戻す
生活にかかるコスト増加、戦争、気候変動など、さまざまな暗く重い話題が多い世の中で、クリエイティブによって笑顔やユーモアを取り戻したいという流れは感じました。多くの部門のサブカテゴリーにも追加されていたこのユーモアという要素は来年にも引き継がれると思います。日本の作品はまじめで固いものが多かったかもしれないです。(浅井雅也)

浅井雅也
Droga5
(part of Accenture Song)
チーフクリエイティブオフィサー
AIに人間らしさを足す「潤滑油」
今年はサブカテゴリーに「ユーモアの活用」というのが新設されていた。そもそも「ユーモア」の語源はラテン語の「潤滑油」。AIに人間らしさをプラスし、人々を惹きつける。(太田麻衣子)

太田麻衣子
博報堂
執行役員/
エグゼクティブクリエイティブディレクター
FUN!
人間のツボを突くことは人間しかできない。いろんな審査講評を聞いていると、「単純に面白くていいじゃん!」という声がちらほらと聞こえてきた。それは、世界中の人々がSNSなどで同じものを見て、同じものにいいね!しているような感覚。そんな共通するツボを突くようなアイデアが求められているように感じた...