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「仕事を奪う」は本当か 生成AIの隆盛とクリエイターの未来

AI vs AIの議論を描く実験的映画人間とAIの境は?

15体のAIがディベートバトルを繰り広げる映画『SINGULA(シンギュラ)』が上映準備を進めている。監督を務めるのは映画監督/ 演出家の堤幸彦さん。2019年に上演された原作の舞台の脚本を書き、映画のプロデュースを手がけた一ノ瀬京介さんは、「当時SF だと思われていた内容に現実世界が追い付いてきた」と話す。

経営者たちの話がヒントに

映画『SINGULA』は、15体のAIたちが人間に関する討論をする様子を描いた物語。全編英語で、15体のAI全てを俳優のspiが演じ分けている。討論は「AIは0→1で音楽を生み出せるのか」「AIは人間とともに生きるのか否か」「AIが人間社会を支配した時に、“人口”はどうなるのか」「AI同士の家族はありうるのか」などと多岐にわたる。議論は白熱し、徐々にAIの様子に変化が⸺。AI同士のやりとりを通じて、人間という存在、その尊さを語りかけるストーリーになっている。本作は国内外での上映を目指し、現在クラウドファンディングを実施中(7月15日まで)。また9月に開催予定の「マドリード国際映画祭」で外国語映画最優秀男優賞・最優秀サウンドデザイン賞にノミネートされている。

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原作は、2019年に上演された演劇作品。脚本家の一ノ瀬京介さんが原作の脚本と映画のプロデュースを手がけた。企画の意図をこう話す。「原作は2018年頃から書き始めました。自分で事業もやっているので、その関係で不動産やIT、医療などさまざまな企業のトップの方々と話す機会がよくありまして。ある時からどんな会合でもAIの話が出るようになったんです。経営者の方々は未来を見ているので、近い将来向き合わざるを得ない話題なのだとひしひしと感じていました。そこから僕自身も一度AIに向き合い、脚本を書きたいと考えました」。

AI 同士のディベートから人間同士のディベートへ

当時世の中の作品を見ると、人間対AIという構図が多かったため、「AI対AI」のストーリーを考えたという。「AI同士が何を話すかと考えると、それは人間のことだろうなと。トークの切り口もかなり幅がありそうだったので、思い切ってディベートという形式にしました」(一ノ瀬さん)。2019年2月には・・・

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