今年、日立製作所は昨年までの新卒採用コミュニケーションを刷新。「ゆずれないものがある。」というメッセージと赤の基調カラーで統一したクリエイティブを展開している。
すべての媒体でコミュニケーションのコンセプトを統一
今年、コミュニケーションを大きく刷新した理由について、日立製作所 人財統括本部人事勤労本部採用グループの中村早希さんは次のように話す。「これまでは統一したコンセプトをベースにして、パンフレット、Web、ポスターなどを制作していませんでした。しかし、採用市場は年々激戦化しており、いかに学生さんに日立を理解してもらい、興味を持っていただくかが大事になってきています。そのためには、日立という企業をもっとPRしていく必要がある。そこで採用コミュニケーション全体を見直し、日立としてのメッセージを発信していこうと考えました」。
本年の新卒採用にあたり日立製作所が目指したコミュニケーションの方向性は2つ。ひとつは、今後企業としてデジタル技術を駆使しながらイノベーション事業に注力するため、目的に合った人財を獲得すること。もうひとつは事業領域がITだけでなく鉄道、水事業など多岐に渡っていることを学生に紹介し、理解してもらう必要があった。しかし、従来のパンフレットやWebサイトは、企業として言いたいことや企業としての目線を重視しており、いわゆる「会社案内」に近い体裁だった。そこで、今年は企業目線ではなく、学生目線でそれらを大きく刷新した。
日立に根付いた言葉から生まれたメッセージ
刷新にあたり、戦略とクリエイティブのパートナーとして電通に声をかけた。メッセージの策定に関しては、電通のクリエイティブスタッフとのブレストから浮かび上がった、と中村さんは経緯を話す …