空間の中で聴覚と視覚の接点を見つけていく
「蓮沼執太: ~ ing」
音楽家、アーティストとして国内外で活躍する蓮沼執太の個展が、4月6日より資生堂ギャラリーで開催される。
音楽家である蓮沼にとって展覧会は、空間の中で聴覚と視覚の接点を見つけていく行為。フィールドワークで収集した環境音や自ら作った音を素材として実験的に音楽をつくったり、指揮者と演奏者、パフォーマー同士、演奏者と観客など他者と流動的に関わりながら協働で音楽をつくるといった独自の作曲方法を用いて、展覧会では音楽を視覚的に表現することを試みる。
本展では、過去と現在のコンセプトとの差や共通点を見つけ出し、変化の様子をたどるといったプロセスを経て、蓮沼のクリエーションの柱となるフィールドワーク、協働、現象といった要素を抽出し制作した映像、サウンド、立体などの作品を展示。人間と人間、人間と人間以外のものとの新たな関係性と共存について考察すると同時に、展示作品を構成(compose=作曲)する。
「蓮沼執太: ~ ing」 | |
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4月6日~6月3日 資生堂ギャラリー |
世界にひそかに脈打つリズムのサウンドインスタレーション
赤松音呂展「Chozumaki/Chijikinkutsu」
デバイスを用いたインスタレーションの発表を続けるアーティスト 赤松音呂の個展が、4月4日からミヅマアートギャラリーで開催される。
赤松は2015年オーストリアで開催されたアルス・エレクトロニカでゴールデン・ニカ賞を受賞。他にもパフォーマンス、ビデオ、立体、絵画など、さまざまなメディアを用いて世界にひそかに脈打つリズムを作品化している。本展では「チジキンクツ」と「チョウズマキ」という2つのサウンドインスタレーションを展示する。
ゴールデン・ニカ賞の受賞作品「チジキンクツ」は、「地磁気」と「水琴窟」を組み合わせた赤松による造語。水が注がれたコップには磁化された縫い針が浮いており、無数の小さな針先が磁場により微細な音を立て、空間にリズムが現れる。
「チョウズマキ」は、ガラス器の水に発生する渦巻きのゆらぎの音を用いたインスタレーションだ。作品は水を入れるガラス瓶とホーン形状に繋がる管で構成され、瓶に入れられた磁石が外部の磁力により回転して渦巻きが現れる。その回転は常に変化を続け、ゆらぎを持った渦巻きは水流の音に泡が弾ける高音が混ざる複雑な音を生み、ガラス管を通りホーンから増幅されていく。渦巻きを伴うガラス器の中の水は彼岸と此岸、物質世界と反物質世界のように対称する2つの世界を結びつけるイメージを想起させる。
赤松音呂展 「Chozumaki/Chijikinkutsu」 | |
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4月4日~28日 ミヅマアートギャラリー |
約300匹のこいのぼりが展示室内の宙を舞う!
こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション
日本を代表するテキスタイルデザイナー 須藤玲子と、フランスの展示デザイナー アドリアン・ガルデール、そしてライゾマティクスの齋藤精一によるインスタレーションが、4月11日から国立新美術館で始まる。
このインスタレーションは、須藤がアドリアンとコラボレーション。日本の伝統行事に着想を得て、2008年にワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ舞台芸術センターで、2014年にはパリのギメ東洋美術館にて発表したもの。今回は同館の最も大きい展示室(2000㎡、天井高8m)を使い、須藤と須藤が主宰するテキスタイルメーカー「布」のメンバーがデザインした約300匹のこいのぼりがダイナミックに泳ぎ回る。
こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレ ーション | |
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4月11日~5月28日 国立新美術館 企画展示室2E |
話題を集めたGRAPH展が京都でも開催
GRAPH展 京都
デザインによるコミュニケーションを追求するGRAPHの展示が、4月7日までホテルアンテルーム京都で、4月11日から30日までGRAPH 京都事務所で開催される。
2017年秋に東京・銀座で開催されたGRAPH展は、クリエイティブとビジネス、デザインと印刷、経営者とデザイナーなど異なるジャンルを飛び越えて、人の心に響くコミュニケーションデザインを創造しつづける彼らの仕事の秘密に迫った。そしてGRAPHがこれまで携わった実際の商品や、ここでしか買えないGRAPHオリジナル商品など、すべての展示物が購入できる「デザインマルシェ」も話題を集めた。
本展では、これまでの制作物はもちろん、その制作過程や、実際にGRAPHのファクトリーで使用されている道具など、普段なかなか見ることができない「GRAPHデザインの裏側」を展示。また東京展で好評を博した「デザインマルシェ」も設けられる …