Webサイト制作やWebブランディングに強みを持つフルブライトからスピンアウトし、2013年に誕生したフラクタ。「ブランドと人々をつなぐすべてを」という理念を掲げ、ブランディングを手がけている。
コンサルティングよりも、サービスとしてのブランディング
数多くの企業がeコマース(以下EC)サイトを運用し、サイトの乱立が進む近年。ECを展開する上で、ブランディングや競合他社との差別化がより重要度を増している。こうした背景を踏まえ、誕生したのがフラクタだ。
「当社は、フルブライトで培ったデザイン・テクノロジー・マーケティングのノウハウすべてをブランディングに向けた会社です。ブランディングをベースとしたECサイトの制作が行える点や、ブランディングのノウハウを全て体系化している点に強みがあります」(代表取締役 河野貴伸さん)。
例えば、江戸時代に作られたタンスや古民具などを扱う「古福庵」のサイト制作の場合には、同店と商品の在り方から考えた。「100年前の商品を使えるように修復し、次の100年後にも誰かに受け継がれていくようにしたい。そんな、クライアントの想いを汲むと共に、江戸後期から昭和初期に作られたアンティーク家具の雰囲気を伝えるために、写真家のセレクト、写真のディレクションから担当しました」。
ECサイトであるとともに、ブランドサイトとしての機能も果たし、同店のブランド価値向上に寄与した。また、デザイン面では、ブランドの世界観を表現しながら、多くの商品・コンテンツを見やすく整理。インテリアEC独特の送料設定、在庫あり商品と、あえてサンプルとして残している売約済み商品のソート表示といった細かい調整も随所に行い、サイト利用者にも運用担当者にもやさしいサイトを実現した。
「ブランディングはコンサルとしての役割に終始するのではなく、サービスとして全て一貫して提供します。それによって、継続的にクライアントのブランドや売り上げに貢献しています」。
また、江戸時代の菓子茶房にルーツを持つ「京都吉祥庵」の仕事は、当初ECサイト制作の依頼から始まったが、信頼を重ねた現在ではVI、CI、パッケージ制作も担当。「京都吉祥庵」を、和菓子・洋菓子の垣根を越えた新たな菓子ブランドへと進化させている。

「時代家具建具の店 古福庵」Webサイト
商品ページに加え、古福庵で働く職人さんなどの顔や想いを知ることができる「スタッフ紹介」、古福庵のこだわりが詳細までわかる「古福庵のクオリティ」といった各ページも充実している。

京都吉祥庵「吉祥菓寮」
初代の北川源左衛門から数えて16代も続く吉祥菓寮。そのWebサイトからVI、CI、パッケージまでを担当。歴史の重みが感じられつつも、決して古臭くはならないように、検討を重ねた。
クリエイティブに関する投資に制限は設けない
「当社にはどの職種であっても、幅広い分野に関心を持ち、探求する社員が揃っています。例えば、アートディレクターであってもテクノロジーへの興味、エンジニアであってもデザインへの興味を持った人が多い。そのメンバーがチームとなって面で勝負するのが当社の特徴です。社員が求める書籍やセミナーへの投資は惜しみません」。
また、パソコンなどツール周りの強化も積極的に行う。「社員から、パソコンが遅い…といった声があがってからでは手遅れです。リクエストが出る前に、迅速に対応していきます。クリエイティブとは、気持ちがのった時の最大出力が大事だと思うんです。だから、できるだけのった状態を生み出せたり、維持できたりする環境を整えたいと思っています」。
こうした環境づくりに加え、同社では社員のキャリアにおいても常に意識していることがある。「当社では、自ら望んで、常に最前線で働くプレイヤーで居続けることも、マネジメント職に就くことも、独立することも可能です。私が興味を持っているのは、社員の成長やチームビルディング。定期的に社員とご飯を食べに行き、キャリアについてどう考えているか話を聞き、アドバイスをおくります」。
キャリアについての自由度が高い環境だからこそ、自ら考え自制する能力が求められる。そうした理由から、同社ではまだ新卒採用を行っていない。その代わり、自制心の備わった中途社員を迎え続けているため、設立以来、退職者はひとりもいない。
「常に、自分の目指すビジョンが明確で、目指すところに他者がかかわっている人、幅広くさまざまなことを経験しても、ひとつもムダなことはないと思える人、これまで培ってきたスキルをベースに新たなフィールドでも勝負したい人、そんな人と一緒に働いていきたいです」。
- デザイナー
- コピーライター
- Webディレクター
RECRUIT NAVI
【求人情報】
フラクタは、以下の職種を募集しています。
詳細は www.fracta.co.jp