2014年のコミュニケーションはどう姿を変えるのだろう?
2013年のマーケティングコミュニケーションを振り返れば、ネットとリアルの結びつきがより密接になり(O2O)、データがマーケティングの主役になり(ビッグデータ)、端末がより多様化するなど、テクノロジー主導でさまざまな変化が起きた。テクノロジーが先行して変化を起こし、そこにクリエイティブが追いつき、コミュニケーションの形が変わって、人の気持ちや価値観が変化していく。そんな変化の構図がよく見えるようになってきた。それでは、いま先頭を走っているテクノロジストやマーケターの頭の中には、どんな未来図があるのだろう?
その図に描かれたコミュニケーションの新しい形や、人の気持ちの変化を覗いてみたい。そして、そんな未来図が実現したとき、コンテンツはどのような形を取っているのだろうか。今回の青山デザイン会議では、工学とアートをつなぐ領域で活動するアーティストの久保田晃弘さん、KDDIで「au未来研究所」の企画を担当する塚本陽一さん、スマートフォンを介したウェアラブル製品の開発で日本の先頭を走るヴェルト代表の野々上仁さんに、2014年のコミュニケーションとクリエイティブの形をお話しいただく。
未来の携帯電話はどんな形?
野々上▶2012年にそれまで在籍していたオラクルを辞め、ウェアラブルに特化した会社「VELDT(ヴェルト)」を立ち上げました。元々ネットワークコンピューティングの世界に関心を強く持っていて、前職でも次世代を創るソリューションを普及させてきたのですが、スマートフォンから広大なネットワークにつながるようになり、いまこそウェアラブルに取り組みたいと思ったんです。ヴェルトはもの(端末)を作るだけではない、ウェアラブルで生活を変えていくウェアラブル"ライフスタイル"デザインカンパニーを標榜しています。いま、仮想空間に没入するあまり、ネット依存症や歩きスマホによる事故など、リアルな場での生活に支障をきたすさまざまな社会問題が起きています。ネットがない時代に時間を戻すことはできませんから、ネットとリアルのバランスが取れる新しいライフスタイルを提案していきたいと思っています。
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