営業のもたらす価値解明へ
日本マーケティング学会の活動の中心となっているテーマを絞った研究会「リサーチプロジェクト」。昨年度まで「地域活性化マーケティング」「価値創造型マーケティング」「クリエイティブ産業とイノベーション」「医療マーケティング」「ソーシャル・ビジネス」「東南アジア・マーケティング」「観光・地域マーケティング」「ブランド&コミュニケーション」の8テーマで研究活動が続けられてきたが、今年の4月より「エフェクチュエーション」「顧客価値創造型営業戦略」「質的リサーチ」「流通における知識共有問題」「ユーザー・イノベーション」「ソロモン流消費者行動分析」の6テーマで新しいプロジェクトが加わった。それぞれの研究会について紹介していきたい。
まずは「エフェクチュエーション」研究会。神戸大学の栗木 契教授をリーダーに、研究会開催の準備が進められている。エフェクチュエーションとは、連続して成功する経験豊かな起業家の「ものの考え方」を認知科学の観点から研究した成果のことであり、この分野の研究は、事業機会の認識に関するエキスパート(熟達者)という文脈において、マーケティング研究にも影響を与えるものである。実務家のゲストを講師に招いて、エフェクチュエーションの事例研究とプロトコル分析を実施し、さらに、新規事業開発やベンチャーのアクション・リサーチを実施する予定である。
次に「顧客価値創造型営業戦略」研究会。関西学院大学の佐藤善信教授をリーダーに、こちらも近日中の研究会開催が予定されている。企業のマーケティング機能の一側面として、顧客価値の創造に寄与している「営業」。これを解明するためには…