森永製菓は今年7月、宇宙をモチーフとした「おかしな自由研究シリーズ」の発売を開始。これは同社が創業115周年を機に立ち上げた「Okashinnovation(オカシノベーション)プロジェクト」(お菓子+イノベーション)の第一弾であり、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の有志で当時構成されていた、イノベーション創出検討会メンバーとのコラボレーションにより開発、電通がパッケージデザインや企画に参画している。
テーマは「お菓子で教育革命」
今回発売されたのは、「もしも地球がチョコボールだったら」「夏の夜空におかしな星座をつくろう」「おかしな宇宙飛行士試験」の3商品。これらは地球、星座盤、ロケットの形を模したパッケージに、同社の人気商品と付属キットが納められている。その名の通り「おかしな自由研究」ができるキットだ。たとえば「夏の夜空におかしな星座をつくろう」は、ラムネとおっとっとを星に置き換え、ポテロングで星をつないで星座をつくることができる。おいしく、楽しく、なおかつ夏の自由研究もできてしまうという、子どもたちにとってはなんともうれしい商品だ。
事の始まりは、4年ほど前に遡る。当時、電通が中心となり企画した「新規領域連携コンソーシアム」がスタート。通称「新コン」と呼ばれたこの会には、さまざまな企業の新規事業部、あるいはそれに近しい活動をしている人たちが参加。新規事業を立ち上げ、進めていく上での課題やアイデアをシェアする場として設けられていた。そこで森永製菓 新領域創造事業部 金丸美樹さん、市場開発事業部 渡辺啓太さん、新コンの立ち上げに関わった電通 クリエーティブプロジェクトディレクター 倉成英俊さんらが出会い、この商品の種となった「お菓子の力で子どもたちのクリエイティビティや発想力を引き出す」ためのアイデアラッシュが始まった。
金丸さんと渡辺さんは、東京駅のアンテナショップ「おかしなおかし屋さん」を立ち上げたメンバー。そこで「おかしなキョロ弁」というお菓子の詰め合わせを販売し、話題を集めていた。「電通さんとのアイデアラッシュの中で“お菓子で教育革命”というキーワードが生まれ、当社の研究所の医学博士に話を聞きにいってもらうなど、企画が本格化していきました」と、渡辺さんは振り返る。
「お菓子で教育革命」というテーマのもと ...